【1月14日 AFP】ロシア軍のアンドレイ・グリゴリエフ伍長が白兵戦でウクライナ兵を殺害する動画が広く共有されたことを受け、ウラジーミル・プーチン大統領は11日、グリゴリエフ伍長の「勇気と英雄的行為」をたたえて最高の栄誉称号「ロシア連邦英雄」を授与した。

ウクライナ兵のヘルメットに装着されたカメラで撮影されたとする動画は今月、ロシアの軍事ブロガーらによって投稿された。

両国のメディアによれば、動画は昨年撮影されたものとされる。

動画の中で、カメラを装着していたウクライナ兵が民家に徒歩で近づくと銃撃戦が始まった。ウクライナ兵が手りゅう弾を民家に投げ込むと、中からロシア兵が出てきて素手とナイフでの白兵戦になった。

ウクライナ兵は助けを求めて叫び、動画の最後にはロシア兵に楽にしてくれと頼み、「さよならママ」と言った。

ロシア政府寄りのメディアは、このロシア兵を極東連邦管区サハ共和国(ヤクーチヤ)出身のグリゴリエフ伍長と特定。サハで最大の民族集団は、チュルク系のヤクート人となっている。

ウクライナメディアは動画で死亡したウクライナ兵について、南部オデーサ州出身のドミトロ・マスロウスキー氏だと特定している。

サハのアイセン・ニコラエフ首長はテレグラムで、グリゴリエフ伍長と直接面会したことを認め、伍長の「偉業」をたたえ、「非常に謙虚な」人物だと評した。

さらに感謝のしるしとして、グリゴリエフ伍長に伝統的なヤクートナイフを贈ったと明らかにした上で、「彼のような人物が、偉大なロシアをいっそう強くしてくれる」と述べた。

ロシア当局はウクライナ紛争で戦う兵士を募集するために多様な民族が暮らす辺境地域を対象とし、前線での高額手当を提示している。(c)AFP