【1月11日 AFP】「アンヌ・ド・キエフ(キーウ)」の愛称で知られるウクライナ軍第155機械化旅団は、フランスで訓練を受けたとして同国とウクライナの両大統領に大々的に喧伝(けんでん)され、ウクライナ軍の主力部隊となるはずだった。

だが、創設から数か月足らずで、二つの敵と戦う羽目になった。戦場で相対するロシア軍と、ウクライナ軍を震撼(しんかん)させた内部のスキャンダルだ。

ウクライナは、第155機械化旅団から1000人以上が脱走したとの報道に揺れている。ほとんどは戦場に派遣される前に離隊し、中にはフランスでの訓練中に脱走した兵士もいるとされる

このスキャンダルは、ロシアが侵攻を開始してからの約3年間でウクライナ軍を悩ませ続けてきた問題の氷山の一角にすぎないとみられているが、ウクライナにとっては政治的・軍事的に重要な節目で明るみに出た。

ミハイロ・ドラパティ陸軍司令官は、AFPも参加した第155機械化旅団のプレスツアーで、「確かに問題はある。私たちも認識している」とし、「公に明らかになった否定的な事柄」に関して「人員配置、訓練、指揮幕僚の一部に問題があった」と語った。