■尹氏が解任されたら「韓国は破滅」

国家主義的な感情と激しい反共産主義に満ちた陰謀論者の怒りは、リベラル派の政治家に向けられることが多い。陰謀論者は、こうした政治家が北朝鮮と結託して韓国を弱体化させていると非難している。

夜になると、群衆は反北朝鮮の象徴となっているサイリウムと米国旗を振った。

イム・ヒョンファさん(67)は、拘束令状の期限である1月6日までに警察が行動を起こすのではないかと恐れ、大統領公邸前で夜を明かした。

「寒いし、疲れた。だが、彼らが何をするか分からないので、私たちは毅然とした態度を取らなければならない」と語り、警察に前進命令を出しているのは、最大野党「共に民主党」を運営している「共産主義者」だと主張した。

尹氏は非常戒厳を宣布した際、同様の見方を示唆。昨年4月の総選挙で野党が圧勝した際、共産主義勢力が韓国の投票システムに侵入した可能性があると指摘した。

昨年12月3日の夜、尹氏は国会だけではなく選挙管理委員会にも軍を派遣した。

歯科医のイ・ジェジンさんは、この説が決め手となり、集会に参加するために釜山からソウルまでやって来たと明かし、「大統領は不正選挙の真実を明らかにしようとしたために弾劾された」と語った。

熱心な支持者数人が非常線を突破し、警察のバスが大統領公邸近くに止まるのを阻止しようとする場面もあった。警察が尹氏を拘束するのではないかと懸念したとみられる。

デモ参加者のほとんどは地元の高齢者で、反左派の言説を信じ、汚名を着せられた尹氏を支持するため自ら声を上げたいと考えているようだった。

ファン・ソンヨルさん(77)は、尹氏が解任されるくらいなら死んだ方がましだと語った。「もしそうなれば(尹氏が解任されれば)、わが国は破滅するだろう」(c)AFP