【解説】性的暴行、拷問、殺害…アサド政権による残虐な人権侵害
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■「絶滅」
国連調査団は2016年、シリア当局には「人道に対する罪」に相当する行為への責任があると指摘した。これは、首都ダマスカス郊外にあるサイドナヤ刑務所を指したもので、翌17年には、アムネスティ・インターナショナルが同刑務所について「絶滅政策」のための人間殺りく場と表現した。
米当局は、同刑務所には「火葬場」があり、収容者数千人の遺体を処分するために使用されていたとしている。
22年、シリア人権監視団はサイドナヤ刑務所で約3万人が殺害され、一部は拷問の末、殺害されたと発表した。
■化学兵器
2020年4月、化学兵器禁止機関(OPCW、本部オランダ・ハーグ)は、アサド政権下のシリア軍が2017年に北部ラタムネでの攻撃に化学兵器を使用したと非難した。
フランスは23年11月、アサド大統領と弟のマーヒル・アサド少将、および指揮官2人に対し、13年8月にダマスカス近郊で化学攻撃に加担した疑いがあるとして国際逮捕状を発行した。米情報機関によると、この攻撃では約1000人が死亡したとされる。
この他、アサド政権軍は17年4月に、反体制派の拠点都市ハンシャイフンでのサリンガスや塩素ガス使用をめぐり非難されたが、政権側は化学兵器の使用を否定している。
イスラエルは今週、イスラム過激派による化学兵器の入手を阻止するため、複数の化学兵器施設を攻撃したと発表した。(c)AFP