【12月8日 AFP】韓国国会は7日、非常戒厳を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を採決した。国会前では大統領の退陣を求める大規模な抗議活動が行われる中、ほとんどの与党議員が議場から退席した結果、同案は不成立となった。

禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、「賛成票が必要とされる3分の2に達しなかった」結果、弾劾投票は「無効」となったと発表。「このような重要な国家問題について投票すら行われなかったことは非常に遺憾」だと述べた。

与党「国民の力」は採決の後、「深刻な分裂と混乱を避けるため」に弾劾を阻止したと主張し、「より秩序立った責任ある方法でこの危機を解決する」とした。

同党の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は、党が尹大統領の辞任の約束を「事実上得た」と語り、辞任が実現するまで尹大統領は「事実上職務から外され」、政権運営は首相と党に委ねられることになると説明した。

野党はすでに、11日にも弾劾訴追案を国会に再提出すると表明。最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、「韓国にとって最大のリスクとなっている尹錫悦を何としても弾劾する」と強調した。(c)AFP