【12月7日 AFP】北マケドニアの首都スコピエの小中一貫校で6日、いじめ加害者とされる3年生(8~9歳)の男子児童が復学したのを受け、全児童・生徒1500人以上が授業をボイコットした。現地メディアが報じた。

男児は数年にわたっていじめを繰り返していたと告発されている。異例の出来事は国民に衝撃を与え、同国の教育制度に厳しい視線が向けられることになった。

同校に通う児童の保護者によれば、男児によるいじめは、6~7歳だった1年生の頃から始まった。言葉の暴力や身体的な攻撃、殴打、学校備品の破壊、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)のほか、ナイフによる脅迫も行っていたとされる。

男児の父親は今週、息子を別の学校に転校させようとした。だが、受け入れ先の学校の児童が転校に抗議して授業をボイコット。同校は男児の受け入れを中止した。

4日に男児が元の学校に復帰すると、まずクラスメートが授業をボイコット。5日と6日には、6~14歳の全児童・生徒がそれに加わった。

保護者会は同校に対し、「男児の情動・精神状態を調べるため、あらゆる国の仕組みを至急活用」するよう要請。男児の退学は求めていないが、他の子どもたちに対する保護を求めている。

教育省は、この問題の解決策を見つけるために委員会を設置した。

ベスナ・ヤネフスカ教育相は、保護者の不安は理解できるが、「今、われわれが協議しているのは子どもに関する問題だ」と説明。

「この男児には教育を受ける権利があり、平和で良識にかなった生活を送る権利もある」「本人は子どもだ。自分でこの問題を解決することはできない」「まずは、男児がなぜそのように行動するのかを調査すべきだ」と続け、「男児の行動を矯正」するには、複数の国家制度を活用する必要があるとの認識を示した。

同国の社会問題センターも、本件に対処しなかったとして非難されている。(c)AFP