【12⽉21⽇ Peopleʼs Daily】今年の第18回北京モーターショーでは、メルセデス・ベンツグループ(Mercedes-Benz、以下「ベンツ」)が世界初公開を含めて計21車種を発表したことで、とりわけ注目された。

 ベンツの中国進出は、北京市(Beijing)に現地法人を設立した2001年に始まる。2003年には中国の自動車メーカーの北汽集団(BAIC Group)と戦略的長期提携パートナーシップを締結した。2005年には中国での研究開発を始め、高級セダンのEクラスの中国仕様車を開発した。今では北汽集団との合弁会社である北京ベンツで、全世界のEクラスの半数が作られている。

 ベンツのオラ・ケレニウス(Ola Kallenius)最高経営責任者(CEO)によると、ベンツは2014年から2023年まで、パートナーと提携して中国に累計1000億元(約2兆700億円)以上を投資した。ケレニウスCEOは、「中国には完備した自動車産業チェーン、トップレベルの提携パートナー、良質な人材資源、革新を支援する政策があります。ベンツは引き続き中国市場に期待します」「中国の良好なビジネス環境のおかげで、ベンツの中国での業務は長足の発展を遂げました」と述べた。

 2023年のベンツ乗用車の中国市場での販売台数は世界全体の3分の1以上で、EVモデルの販売台数は2倍以上に増加した。ベンツにとって世界最大の市場である中国では、自動運転、自動車ソフトウエア、スマートコネクティビティーなどでの需要が急速に高度化し、技術の世代交代が繰り返されている。

 ベンツの中国での研究開発チームは2000人を超えた。中国事業責任者のフベルトゥス・トロスカ(Hubertus Troska)取締役は、「私どもは中国で、ドイツ以外では対応可能分野が最も広い研究開発チームを構築しました」「中国では優秀な人材資源が豊富で、急速に発展する科学技術企業があります」「中国の研究開発チームはますます多くの世界全体の研究開発をけん引する役割を果たしています」などと説明した。

 中国の自動車生産台数と販売台数は、15年連続で世界第1位だ。ケレニウスCEOは、「中国は世界最大の自動車市場であるだけでなく、最も活力に富んだ市場の一つです。特にイノベーションのスピード、新エネルギー車やスマート化のモデルチェンジの面で、中国は世界の自動車業界の急発展をけん引しています。中国への投資は未来への投資です。これは私どもの自然な選択なのです」と述べた。

 ドイツ連邦銀行(Bundesbank、中央銀行)の調べによると、2024年上半期のドイツの対中投資は過去最高の73億ユーロ(約1兆1600億円)に達した。ベンツのマルティン・ブルーダーミュラー(Martin Brudermuller)監査役会会長は、「欧州と中国、ドイツと中国には長期にわたる良好な協力の伝統があります。中国の産業の強みと発展の速度は、ベンツの中国市場拡大の重要な支えであるだけでなく、全世界での経営にも大きなチャンスをもたらしています。世界は中国を必要としており、中国も世界を必要としているのです」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News