【12月5日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは5日、新たな報告書を公表し、昨年10月にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が激化して以来、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人に対する「ジェノサイド(集団殺害)を行っている」と非難した。

ロンドンを拠点とする同団体は報告書について、「イスラエル政府と軍の関係者による非人間的でジェノサイド的な発言」や、破壊を記録した衛星画像、現地調査やガザ住民からの報告に基づいていると述べた。

アムネスティのアニェス・カラマール事務総長は、「イスラエルは月日を重ねるごとに、ガザのパレスチナ人を人権と尊厳に値しない人間未満の集団として扱い、彼らを物理的に絶滅させる意図を示してきた」と声明で述べた。

その上で、「われわれの決定的な調査結果は国際社会への警鐘となるべきだ。これはジェノサイドだ。今すぐ止めなければならない」と付け加えた。

ハマスが運営するガザの保健当局によると、昨年10月のハマスの越境攻撃に対するイスラエルの報復攻撃により、ガザではこれまでに民間人を中心に少なくとも4万4532人が死亡した。国連はこの数字について、信頼できるとしている。

イスラエルはジェノサイドの疑惑を繰り返し強く否定し、ハマスが民間人を人間の盾として使用していると非難している。

しかし、アムネスティの300ページにわたる報告書は、イスラエルが「ハマスの存在や他の軍事標的がない場所で民間人や民間インフラを直接的かつ意図的に攻撃」していると指摘。その他にも、人口密集地域での広範な破壊力を持つ兵器の使用、援助物資の搬入の妨害、ガザの人口240万人のうち90%の人々の強制移住を行なっていると報告した。(c)AFP