■仲間や家族の身を案じて

走行中の列車内で治療を受けるという状況にもかかわらず、負傷兵らは気に留めず、心は他のことにとらわれているようだった。

衛生兵のオレナさんは、「彼らは手足を失うことなどは気に掛けていない。精神的に落ち込んでいるのは、仲間や家族の身を案じているからだ」と説明した。

列車に乗っていたムルチクと名乗る兵士(28)は、待ち伏せしていたロシア軍の銃撃で負傷し、治療を受けていた。

「4人で出発したが、全員戻ったわけではない」と言う。仲間の1人は、この攻撃で命を落とした。

戦場への復帰については医療委員会の決定を待たなければならないが、迷いはなかった。

「(前線に)戻りたい」と語った。

列車が目的地に到着した。患者を降ろして現地の病院に搬送するための救急車が既に待機している。

「もちろん、非常に緊張するし、そして、(列車が駅に)到着して患者を降ろす時は、ほっとする」とオレクサンドル医師は話した。「すべての救急車が出発し、プラットホームから人がいなくなり、この列車の中からも患者がいなくなったのを目にした時がそうだ」(c)AFP