【12月2日 AFP】コソボ北部ズビン・ポトク近郊で先週起きた戦略的運河の爆発をめぐり、同国とセルビアとの間で非難の応酬が続いている。

ズビン・ポトクは住民の多数派をセルビア人が占め、民族間の緊張が続いている。11月29日に発生した爆発は数十万人に水を供給している運河と、コソボの電力の大部分を担う火力発電所2か所の冷却システムに大きな被害を与えた。コソボ側からセルビアに対する非難が上がる中、同国のアレクサンダル・ブチッチ大統領は生中継で国民に向けて演説。爆発とコソボによる非難は「セルビアに対する大規模で猛烈なハイブリッド攻撃の試み」だと主張した。

その上で、個人名や国名を挙げることは避けつつ、「われわれはこの攻撃とは無関係だ」とし、セルビア当局は独自調査を開始したと述べた。

一方、その数時間後に記者会見したコソボのアルビン・クルティ首相は、「ロシアの手法を模倣し、コソボやわれわれの地域全体を脅かしている」とセルビアを糾弾。「12月にわが国の大部分から水、光、暖房、通信を奪うのが目的だった」と語った。

さらにこの発言を受け、セルビア政府コソボ担当事務所のペタル・ペトコビッチ長官は、この爆発はコソボ北部からセルビア人を追放する口実をコソボ政府に与えるためのものだと反論した。

コソボ当局は30日、数人の容疑者を逮捕した。警察長官は「軍服200着、グレネードランチャー6基、小銃2丁、拳銃1丁、マスク、ナイフ」を押収したと発表した。

クルティ政権はここ数か月間、セルビア政府がコソボ国内のセルビア人に社会サービスや政治的支援を提供している独自システムの解体を試みており、緊張をあおっている。(c)AFP