【12⽉15⽇ Peopleʼs Daily】中国・河南農業大学(Henan Agricultural University)の科技小院の展示室で、同大学の資源および環境学院の葉優良(Ye Youliang)教授は、「農業技術の普及、科学研究革新、農産物の販売など、10以上の協力合意を締結できました」と、興奮気味に語った。

 科技小院とは農村部などに設けられた、農業の実際を知りながら技術指導などを行う、大学その他の組織の出先機関だ。河南農業大学は河南省(Henan)に科技小院が導入された2012年以来、国家が認める国家級科技小院を24か所設けてきた。そこでは計100人余りの教師と1000人余りの学生が田畑に根を下ろし、農村の全面振興に奉仕しながら学問を修めている。

 開設12年目の禹州市(Yuzhou、本稿で省の説明のない市と県は、すべて河南省内のもの)の科技小院を例にとると、教師と学生は農業技術研修などを通じて新品種を導入し、土壌の判断や施肥方法、多収型高効率栽培などの技術を普及させ、農家の小麦とトウモロコシの単位当たりの収穫量を向上させてきた。2023年には農家にとって「天敵」とも言える収穫期の長雨に見舞われたが、科技小院の指導を受けるモデル農家3世帯では、小麦の1ムー(約0.0006平方キロ)当たりの生産量がいずれも500キロ余りで、購入価格は1キロ当たり2.5元(約53円)前後で、一般的な被災した小麦より約0.4元(約8円)高かった。

 科技小院に所属する学生には、畑に出て農家を指導するだけでなく、研究をして論文を書くことも求められる。科技小院に駐在した河南農大の教師と学生は過去10年余りの間に科学の啓発書10冊を執筆し、中国内外の定期刊行物では学術論文100点余りが掲載され、15種の技術要領を作成した。農学の専門教育では大地に根を下ろして模索を繰り返し、教師と学生が「ゼロ距離」で学んだことを活用させてこそ、農業や経営を理解する研究人材を育成することができる。

 杞県(Qi)の科技小院は1000余りの土壌サンプルを採取し、ニンニク専用の肥料や専用の種子処理剤をその他の組織と開発し、収獲までの投入コストを30%以上削減し、生産量を15%向上させた。中国北部の石灰性土壌は一般に亜鉛不足だ。蘭考県(Lankao)の科技小院は品種選定を行い、亜鉛肥料とその施肥技術を開発し、小麦とトウモロコシの種子中の亜鉛含有量を15%以上高めた。

 河南農大と河南心連心集団は杞県と新郷県(Xinxiang)に科技小院を共同設立し、土壌の砂漠化やアルカリ化などの問題で生産性の悪い耕地の土壌改良を実施し、作物の多収型高効率グリーン栽培方式を制定した。江西省(Jiangxi)の永豊県(Yongfeng)と江西農業大学(Jiangxi Agricultural University)は野菜科技小院を共同設立し、「企業+モデル基地+科技小院+野菜農家」のモデルを充実させ、農業従事者4万人余りを育成した。

 科技小院は庶民の生産効率向上に奉仕し、地域産業の発展をけん引している。中国は農村での科技小院の定着を推進し、農民の富裕化のための道を広げ、国全体の農業を強化している。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News