安徽省合肥市でイノベーションのラッシュ、産業にチャンスを提供
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【12⽉4⽇ Peopleʼs Daily】核融合研究の大型施設「誇父」が2025年に完成、国産チップの「驍鴻」が実用化、第3世代超電導量子コンピューター「本源悟空(Origin Wukong)」に100か国以上からアクセス――。中国・安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)からは最近、科学技術関連の朗報が次々に届く。今年第1四半期の合肥市のハイテク製造業の付加価値の伸びは前年同期比7.5ポイント上昇の42.4%増、新エネルギー自動車の生産台数は28.8%増、集積回路の輸出は31.4%増だった。
合肥市西郊外の科学島にある中国科学院(Chinese Academy of Sciences)合肥物質科学研究院強磁場センター内に、高さ6メートル以上の「鉄缶」がある。同研究院の劉建国(Liu Jianguo)院長は「これは定常強磁場装置です。総合性能は世界一流で、実験条件は世界の最先端です」「物理、化学、素材などの分野の科学技術分野で、基礎研究だけでなく産業革新を後押しすることができます」「これまでに陽子治療システム、新型標的薬物などの一連の成果が出ています。(2021年の)第14次五か年計画の開始以来、企業との技術移転契約は1500件以上に達しました」と説明した。
合肥市は大型科学施設13か所と35のハイレベル新型研究開発機構を誘致し、主要な研究機関と共同でイノベーション拠点53か所を建設した。また、科学島だけで450社以上の企業が育成され、国家級ハイテク企業は約80社が育った。
新エネルギー自動車産業では重要部品と完成車を製造し、アフターサービスを含む完全な産業チェーンが形成。ディスプレーでは中国で最も先進的な産業群が出現。太陽光発電用インバーターの出荷台数は世界1位――。合肥では近年、戦略的新興産業クラスターの構築が加速され、それぞれの産業の規模がより大きくなり、実力が増強されている。
科大国盾量子技術のスマートフォンは何の変哲もないようだが、文字を入力すると画面には別の文章が表示された。同社の唐世彪(Tang Shibiao)副総裁は、「量子鍵技術を使うことで文字、音声、画像などの情報を暗号化できます。秘密通信にとって極めて大きな価値があります」と述べた。量子通信関連分野での同社の特許件数は世界第1位であり、製品は行政や金融などの分野で応用されている。
科大訊飛(アイフライテック、iFLYTEK)人工知能体験館にはさまざまなスマートシーンが用意されている。例えば音を聞いて設備の異常を診断する「訊飛工業聴診システム」、6000万台近い車に搭載されている人工知能(AI)利用の「星火大規模モデル」だ。さらに同社は全国5万校以上の学校にスマート教育を提供している。同社ブランドマーケティング部の韓煜塵(Han Yuchen)副総裁は「私どもはAI分野での技術の蓄積を生かし、生産と生活にスマート支援を提供しています」と述べた。
合肥市発展改革委員会の関係責任者は、「今後も科学技術の革新と産業発展の『共振現象』を推進して、新たな質の生産力の発展により多くの駆動力を注ぎ込んでいきます」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News