中国船舶企業はクリーンエネルギーへのモデルチェンジに積極対応
このニュースをシェア
【12⽉2⽇ Peopleʼs Daily】世界の海運業界では大きな変化が進行している。船舶排出基準が日増しに厳しくなっているからだ。クリーンエネルギー船を建造しなければ、中国国外の船主からの受注は困難だ。
中国船舶集団(CSSC)青島北海造船の設計チーム責任者である李忠剛(Li Zhonggang)氏は、「液化天然ガス(LNG)は比較的安全で、排出削減効果が比較的良好な船舶燃料です」「LNG燃料船舶を最初の低炭素代替燃料船に選び、まずは需要が大きい21万トンのばら積み貨物船を選びました。この船は、世界のばら積み貨物船の主力になりました」と説明した。
LNGの蒸発ガスを確実に制御し、タンクを過圧状態にしないことは設計上の難題だ。技術の困難に直面して、研究開発チームはシミュレーションシステムを開発した。100回以上のシミュレーション計算と水槽実験を経て、2021年初めに技術上の難問を解決し、21万トンのLNGデュアル燃料ばら積み貨物船の開発に成功した。
従来型の貨物船と比べ、同船の1日当たりの燃料消費は1.9トン削減された。窒素酸化物排出の削減は25%以上で、一酸化炭素では30%以上削減、二酸化炭素は20%削減、硫黄酸化物排出はほぼゼロだ。運航のためのコストと環境負荷は著しく減少した。外国の船主が設計方式を確認し、3隻を発注した。
北海造船が注文を受けた船舶は64隻で、契約総額は354億3800万元(約7530億円)だ。うち21万トンのLNGデュアル燃料ばら積み貨物船は7隻で、アンモニア燃料やメタノール燃料などの新エネルギーによる環境保護型の船舶が全体の87.5%だ。
北海造船には注文が殺到しているが、製造体制は整っている。海西湾には船舶や海洋工事施設製造および各種の周辺業務企業が集中しており、年間の造船能力は668万トン分で、200隻余りの船舶補修と50万トンの海洋工事鋼材加工能力が形成された。
中船発動機や青島海西重工も相次いで海西湾船舶・海洋工学産業基地に工場を建設した。海西重工が製造したエンジンクランクシャフトが中船発動機に渡され、中船発動機が北海造船に船舶エンジンを提供する。各種企業が緊密に協力し、船舶エンジン関連の現地調達率は89%に向上した。
現在はアンモニア燃料動力大型ばら積み貨物船を受注し、現地の企業群はアンモニア燃料エンジンの研究開発に共同で取り組んでいる。アンモニアは燃焼過程で二酸化炭素を発生しないため、潜在力のあるクリーンエネルギーとして注目されている。
中国の造船業はここ数年来、国際市場でのシェアトップを維持している。2023年には世界の主要18船型のうち、中国は14船型の新規受注件数で世界一だった。そして、新規受注ではLNGやメタノール動力などのグリーン船舶の受注が急速に増加し、水素燃料電池などのゼロ炭素船舶の受注が飛躍的に伸びており、中国企業が新規受注した環境保護型船舶の国際市場シェアは57%に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News