【11月14日 AFP】米統領選で共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の勝利を予想し、暗号資産(仮想通貨)を用いる米国の賭けサイト「ポリマーケット」で計8500万ドル(約132億円)を稼いだ男性がいる。米ブロックチェーン分析会社チェイナリシスが13日、AFPに明らかにした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、男性はフランス国籍の元トレーダーで、名前はテオ。名字については非公表を希望しているという。

ポリマーケットは先月、あるフランス人が大統領選でトランプの勝利に大金を賭けたと公表していた。

チェイナリシスは、照合を行い、類似の特徴を持つ11のポリマーケットアカウントを特定したと述べた。

これらのアカウントでは、入金、賭け、出金が同時に行われていた。

「テオ」は、大統領選でトランプ氏が民主党候補のカマラ・ハリス副大統領に勝利する方に計7000万ドル(約110億円)を賭けた。

選挙結果が出ると、男性は掛け金を全額取り戻し、さらに8500万ドルを手にした。

男性はWSJに対し、実際に同額を稼いだことを認めた。

AFPはポリマーケットに本件の取材を試みたが、回答は得られていない。

ポリマーケットは2020年に立ち上げられたオフショア賭けサイトで、取引は暗号資産でしか行えない。原則的には、米国居住者は取引できないようになっている。

大統領選は世論調査では接戦とされていたが、ポリマーケットでは他の賭けサイトと同様、トランプ氏の勝利予想が優勢となっていた。

米メディアによれば、連邦捜査局(FBI)は13日、ポリマーケットのシェイン・コプラン最高経営責任者(CEO)のニューヨークにある自宅を家宅捜索した。

米紙ニューヨーク・ポストは、FBIがコプランCEOの電話や電子機器を押収したと報じている。

家宅捜索の理由と目的は不明。

だが、家宅捜索についてポリマーケットの広報担当者は、「2024年大統領選を正しく判定する市場を提供したポリマーケットに対しての、近く退陣する(ジョー・バイデン)政権による政治的報復なのは明らかだ」と訴えた。(c)AFP