「City不City啊」?中英混じりの表現が中国語に新しい風を吹き込む
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【11月11日 CNS】今年に入り、中国を訪れる外国人観光客が増加する中、外国人インフルエンサーが発信した「City不City啊」というフレーズが国内外のSNSで大きな話題となり、真似する人が続出している。この表現は、「City(都市っぽい)」という英単語と、「不City(都市っぽくない)」という否定を組み合わせたもので、日本語に直訳すると「都会的かどうか?」といったニュアンスになる。主に「都会的な雰囲気があるかどうか」を尋ねる表現として使われている。
中国は長い歴史と豊かな文化を持っており、中国語はもともと西洋文化と融合することが少ない傾向にあった。これに対して、例えば日本語のように西洋からの影響を強く受けてきた言語もある。このような背景のもとで「City不City啊」の流行は、中国語の国際的な広がりにどのような変化が起きているのかを示している。
雲南大学(Yunnan University)の漢語国際教育学院副院長である陳芳(Chen Fang)氏によると、この流行語は外国人インフルエンサーが短い動画で「City不City啊?」と問いかけ、「好City啊(とても都会的だ)」と答えるスタイルから広まったものである。「City」という単語は本来「都市」を意味する名詞だが、「City不City」という表現では形容詞のように使われ、「都会的な」「おしゃれな」などの意味が込められている。外国人インフルエンサーが英語の名詞を形容詞的に使う特性を利用し、中国語文法に当てはめることで「City不City」という中西合璧の表現を生み出したのだ。
この表現は中国のネットユーザーにも外国人にもなじみやすく、双方が共通して理解しやすいものとなっている。「City不City」の流行は、異なる文化同士の衝突や交流、そして相互理解の象徴でもある。今年、このフレーズは中国が提供する「144時間ビザ免除政策」の象徴的な表現としても広まり、年末の流行語として注目される可能性が高い。
中国語は中国国内の言語であると同時に、世界で通用する言語の一つでもある。古くは漢代から唐代にかけて多くのサンスクリット語が仏教を通じて中国に取り入れられ、「刹那(せつな)」のような言葉が日常的に使われるようになった。
中国語の発展は人類の言語進化の歴史でもある。かつて日本語、韓国語、ベトナム語は多くの中国語の単語を取り入れてきた。近代においては、中国語もまた外来語や外国語の文法を取り入れることで、現代中国語の発展が促進されてきた。経済、政治、科学技術、文化といったさまざまな分野で、多くの英語や日本語由来の言葉が使われるようになっている。たとえば、「経済」という言葉は、一般的に日本で翻訳時に古い中国語の意味に新しい意味が付加されたものとされ、中国の言語学者である王力(Wang Li)氏は「西洋から来て、日本を経由した」と表現している。現在、インターネットや現代のメディアの影響で「中西合璧」の言葉が増加し、異なる背景を持つ人びと現代に対する理解や受容、共感を示すことができるようになっている。
中国語の国際化は避けられない流れだ。言語教育者の視点から、陳芳氏は中国語の今後の方向性を2つ挙げている。まず、中国語の国際化を観光や商業などの代表的な利用シーンに取り入れ、社会サービスとしての機能を強化し、中国語の社会的価値を高めること。もう一つは、中国語を世界の言語教育の重要な一部とみなし、国際理解を促進することを目指して、中外言語交流や協力を深化させ、「中国語の国際化」を軸としたより深い国際的な協力と交流を進めることである。(c)CNS/JCM/AFPBB News