【11月11日 Xinhua News】中国雲南省林業・草原局は9日、専門家チームの識別と鑑定の結果、同省デチェン・チベット族自治州内に設置した赤外線カメラのうち、2カ所のカメラの撮影データから国家1級保護動物ユキヒョウの姿を確認したと明らかにした。同省でユキヒョウの姿が捉えられたのは今回が初めてで、絶滅の危機に瀕している同種が省内に分布していることが証明された。

 中国科学院昆明動物研究所の蔣学竜(しょう・がくりゅう)研究員によると、ユキヒョウは食肉目ネコ科ヒョウ族に分類され、中央アジアから青蔵高原とモンゴル高原に至る高山に生息し、ネコ科の中では世界で最も標高が高い地域に分布する。中国はユキヒョウの主要分布地域であり、国際自然保護連合(IUCN)の評価では、世界のユキヒョウの約6割が中国に分布し、雲南省西北部はその分布限界に当たる

 蔣氏は、今回、雲南省西北部にユキヒョウが現れたことは、同省にこの種が分布していることを証明しただけでなく、国内最南端の分布記録の一つになると述べた。

 回収されたカメラ2台はシャングリラ国家公園体制試行地区内の標高4500メートル地点と、徳欽県羊拉郷の標高4800メートルの観測地点にそれぞれ設置されていた。専門家によると、これらの分布情報は雲南・四川・西蔵の3省・自治区の境界にある三江(怒江・瀾滄江・金沙江)併流地域が横断山脈のユキヒョウ個体群にとって重要な拡散経路であり、生息地の一つであることを示しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News