北京で小澤征爾さん追悼コンサート 音楽の精神と理想を伝承
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【11月10日 CGTN Japanese】中国と深い絆で結ばれていた世界的指揮者の小澤征爾さん(1935-2024)。今年2月に逝去された小澤さんを偲ぶコンサートが11月5日、北京の中央歌劇院で開催されました。発起人は19歳から小澤征爾に師事し、アシスタント・コンダクターも務めた中国の指揮者・俞潞(ユー・ルー、35歳)さん。演奏は蘇州オーケストラが担当しました。
このコンサートは小澤さんの中日の人的・文化的交流への貢献をたたえ、その音楽に込められた精神と理想を伝承することを目的としています。
特別ゲストとして登壇した小澤征爾の長女・征良さんは、「父は、音楽には人々を結び、心を動かす力があると生涯信じ続けていた」と英語であいさつしました。そして、「音楽の伝承」の願いを込め、父が愛用していたベートーベン「交響曲第5番」の総譜をユー・ルーさんに手渡しました。この曲は小澤征爾さんが初めてユー・ルーさんを指導した時の思い出の一曲でもあります。
コンサートでは、中国の伝統楽器二胡の名曲「二泉映月」、ジュール・マスネの「タイスの瞑想曲」、ベートーベンの「交響曲第5番」の3曲が演奏されました。「二泉映月」は小澤さんが1978年に北京で初めて耳にし、感動で涙を流したと言われる曲です。演奏には、小澤さんと共演経験があり、中国を代表するヴァイオリニストの劉雲志さん(現中央歌劇院院長でアートディレクター)、そして日本からはハープ奏者の篠﨑和子さんとヴァイオリ二ストの豊嶋泰嗣さんが特別ゲストとして参加しました。
小澤さんは1935年中国瀋陽生まれ。1歳で家族と共に北京に移住し、1941年まで旧市街地の新開路胡同69号院に住んでいました。中国に深い思い入れがある小澤さんは1979 年3月、当時音楽監督を務めていたボストン交響楽団を率いて訪中公演を行いました。また、中米音楽外交の幕を開けた指揮者としても知られ、後進の指導にも情熱を注ぎました。多くの中国人指揮者も小澤征爾音楽塾などを通じて、その薫陶を受けています。
今回の訪中にあたり、長女の征良さんは10歳の息子を伴い、北京の新開路胡同69号院を訪れました。中国での父の足跡をたどりながら、在りし日の姿を偲んでいたそうです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News