【11⽉23⽇ Peopleʼs Daily】7月下旬に開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)第46回世界遺産委員会は、北京中軸線、バダインジャラン砂漠、黄海(Yellow Sea)と渤海湾の渡り鳥生息地(第2期分)を世界遺産リストに登録した。中国の世界遺産数は世界でも上位の59件に達した。うち15件は世界自然遺産で、4件は文化と自然の双方で評価された。中国で自然絡みの世界遺産数は19件に達し、世界最多を維持している。

 中国は一時期から生態文明建設をかつてない水準に引き上げた。国立公園など自然保護地についての制度が絶えず改善され、自然絡みの世界遺産の総面積は7万9000平方キロメートルに達した。優れた実践事例も次々に出現している。黄山は独創的な観光地の交代閉鎖休止制度と有償救援制度を取り入れた。四川省(Sichuan)のパンダ生息地では企業、組合、農家、基地が結合した発展モデルを展開し、該当地域のコミュニティーの持続可能な発展を積極的に模索している。泰山では「スマート泰山」の総合保護管理体系が創出され、武夷山では国立公園の管理局と管理ステーションを組み合わせた2段階管理体系が確立された。三江併流では関連地域内の鉱業活動をすべて停止させた。黄竜では絶滅危惧種の蘭のクローン繁殖研究を推進している。

 国際自然保護連合(IUCN)の「2020年世界遺産展望」によると、自然に絡む世界遺産のうち、世界全体における状況が「良い」「比較的良い」の割合は63%だが、中国では89%に達している。世界では7%が危機的な状況にあるが、中国には一例もない。中国の自然絡みの世界遺産の保護はすでに、国際的な平均レベルを超えたと言える。

 絶滅危惧種の生息地の保護と修復では、三江併流遺産地内のキンシコウの生息地の植生回復と生態回廊修復や黄海と渤海湾での浜海湿地修復が、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)に基づく世界の100例余りの生物多様性を示す事例の一つに選ばれた。青海省(Qinghai)のココシリ(Hoh Xil)の保護管理状況は三江源国立公園(Three-River-Source National Park)の整備に伴いさらに改善され、チベットカモシカや野生ヤクは個体数が増加し続け、分布範囲は拡大し続けている。

 中国は自然遺産の扱いで、資源保護と民生の発展を結び付ける原則を堅持している。世界遺産がある地方では、遺産保護と持続可能な観光のバランスや貧困の解消、遺産価値の強化の面で際立った成果を収めている。そのため、国連人間居住計画(HABITAT)の持続可能な都市モデル賞や国連世界観光機関(UN Tourism、UNWTO)の世界最高の観光農村などに選ばれた事例もある。

 中国では生態文明建設の推進と「人類運命共同体の構築」理念の各分野での深い実践に伴い、世界自然遺産事業が際立った成果を収めた。自然絡みの世界遺産は中国の生態文明建設と美しい中国の風采を示す典型事例になっただけでなく、全世界規模の生物多様性保護や持続可能な発展、環境ガバナンスへの参加についての中国の確固たる決意と卓越した貢献を日増しに際立たせている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News