【11月7日 CNS】今年で中国の極地探査は40周年を迎え、1984年に初めて南極遠征を行って以来、探査装備は絶えず更新・強化されてきた。中国の船舶設計の専門家であり、「雪龍2号(Xuelong-2)」の設計者でもある呉剛(Wu Gang)氏によれば、今後、中国は重型砕氷船の自主設計・建造が可能になる見通しで、これにより極地探査能力が大きく向上することが期待されている。

 現在、中国には4隻の科学調査用砕氷船があり、最も古いのは1984年に登場した「向陽紅10号」だ。1993年には、中国最大の極地探査船「雪龍号」がウクライナから輸入され、中国のニーズに合わせて七〇八研究所で設計改修された。「雪龍号」は0.5ノットの速度で1.1メートルの厚さの氷(0.2メートルの雪を含む)を連続して砕いて進むことができる。

 2009年には中国国務院が新世代の砕氷船建造を正式に承認し、2019年7月には中国初の自主建造極地科学調査砕氷船「雪龍2号」が引き渡された。「雪龍2号」は、1.5メートルの氷と0.2メートルの雪の極地環境で2〜3ノットの速度で連続破氷航行が可能だ。今年6月には、中国船舶集団(CSSC)の七〇八研究所が研究・設計した「極地号」砕氷調査船が広州で引き渡された。

 現在、中国は軽型と中型の砕氷船の設計・建造能力を持っているが、技術的な課題となっているのは重型級の砕氷船で、これの設計と建造は砕氷船技術の「頂点」に位置し、今後の目標となる。

 この分野では、北極圏諸国と比べると、中国はまだ多くの課題を抱えている。現在、世界の極地砕氷船は主にロシア、米国、カナダ、フィンランド、スウェーデン、デンマークなどに集中している。その中でもロシアは世界で唯一、原子力砕氷船を保有し建造できる国で、7隻の原子力砕氷船と小規模な極地浮遊ステーションを運用している。中国は2021年に重型砕氷船の開発計画を打ち出し、年間を通じて極地探査を実施し、南北極のより広範な地域を横断する目標を掲げている。

 呉剛氏は、新世代の重型砕氷船は、年間を通じた探査を実現するだけでなく、中国の船がこれまで到達できなかった極地地域にまで進出できるようになると話している。新型砕氷船には低温耐性、耐寒性、高強度材料といった技術的な課題を克服する必要があり、より強力な動力と環境に配慮した設計も求められている。

 今後、中国の極地装備は体系化、スマート化の方向に向かう。一方で異なるレベルの砕氷船を開発し、「軽・中・重」型の船隊を編成し、他方で多機能無人プラットフォームを構築して「空・天・氷・海・潜」一体型の科学調査を実現し、「導入-消化吸収-再革新」という自主開発モデルの発展を促進する方針だ。

 呉剛氏は、中国の極地技術装備の分野でのブレークスルーに自信を持っており、国家の研究体制の強みを活かし、量から質への変化を実現して、中国が極地探査分野で新たな段階へと進むことを期待している。(c)CNS/JCM/AFPBB News