【11月7日 Xinhua News】中国上海市で5日に開幕した第7回中国国際輸入博覧会には、400を超える新しい製品や技術、サービスが登場し、来場者の注目を集めている。中国市場を重視する多くの外国企業にとって、輸入博は「初公開」の製品やサービスを打ち出す重要な舞台になっている。

 米国の電子制御機器メーカー、ハネウェルは、2018年の第1回から7年連続で輸入博に参加してきた「皆勤組」。初回は50平方メートルだった展示面積は、今年は500平方メートルまで拡大している。ハネウェル・チャイナの余鋒(よ・ほう)総裁によると、輸入博を通じてこれまでに120以上の顧客と契約を結び、中国初公開を含む160以上の技術を展示してきた。今年も航空機向けの地上警戒システム、35種類以上の有毒ガスや可燃ガスを検知できる半導体産業向けガス検知器「Midas」など複数の新製品を展示。「輸入博はハネウェルが製品を全面的に展示する重要な場になっている」と余氏は語る。

 多くの外国企業が中国市場に期待を寄せ、自らの技術を中国に持ち込むと同時に、「現地化」にも力を入れている。米飲料・食品大手ペプシコはこの5年間、「1年1工場」のペースで投資を続けてきた。同社のアジア太平洋地域兼大中華圏(グレーターチャイナ)最高コーポレートアフェアーズ責任者の石家斉(せき・かせい)氏はその狙いを「中国市場の広範な業務ニーズを満たすため」と語る。輸入博は同社にとって「新しい技術や製品を披露する絶好の舞台」であり、今年も中国色を際立たせた新製品を打ち出す。同社は中国市場に深く根付いており、中国東北部の良質な米を原料としたレイズのスナック、黒ごまや黒米など五つの黒い食材を使ったクエーカーのオートミール、キンモクセイなど中国らしいフレーバーがそろうペプシコーラの炭酸飲料「太汽」など既に発売した製品も爆発的な売れ行きを見せている。

 スウェーデンの工業設備メーカー、アルファ・ラバルは4回目の参加となる今回、初めて中国市場を新製品の世界初公開の場所に選んだ。北東アジア市場チーフディレクターの顧聞(こ・ぶん)氏は「グループはこの5年間、中国での投資を続け、生産・サービス設備をアップグレードしてきた。中国市場は昨年、初めて北米市場を上回り、わが社の世界最大の市場になった」と指摘。「中国に根付いて40年になるが、中国の未来にさらなる期待を抱いている」と語った。

 「皆勤組」のトヨタ自動車は今年、代表的な乗用車ブランド「クラウン」の最新モデルと1964年に初めて中国市場に進出した際の旧型モデルを並べて展示している。トヨタ自動車(中国)投資マーケティング広報部の謝輝(しゃ・き)室長は、新旧のクラウンを同じステージに展示することで、トヨタの中国における過去60年の歩みを振り返り、中国市場で今後も発展、進化し続けようという決意を表したと語った。今回はさらに、中国商用車大手の中国重型汽車集団(中国重汽集団)と共同開発した大型水素トラックを初めて展示するほか、高級ミニバン「アルファード」福祉車両の試作版を世界初公開する。

 同じく「皆勤」のオムロンは今年、新型の吸入器や酸素発生器を展示する。同社の執行役員兼オムロン(中国)社長の徐堅(じょ・けん)氏は輸入博について、多国籍企業にとって絶好のプラットフォームであり、最新の技術や製品の展示を通じ、より多くの提携や投資の機会を得られるとの認識を示した。同社が展開する「MMC(メタボリック・マネージメント・センター)ヘルスコンビニ」はすでに国内28省をカバー、チェーン薬局約100社と契約しており、今後さらに規模を拡大するという。徐氏は「わが社にとって中国市場の重要性は言うまでもない。競争は確かに存在するが、中国市場という重要なマーケットへのわれわれの長期的なコミットメントや投資への自信は変わっていない」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News