急速に発展する「猫砂」経済 中国内モンゴル自治区寧城県
このニュースをシェア
【11月6日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区の赤峰市にある寧城県が、ペットの猫のトイレに入れる「猫砂」の世界的な産地となっている。県内の猫砂加工企業は32社を数え、ここ数年は各社がコア技術の獲得に成功、新たな猫砂製品と生産ラインを打ち出し、科学技術の詰まった環境に優しい猫砂を世界中の猫たちに供給している。
同県には華北地区有数の大型ベントナイト鉱山があり、資源量は1641万5千トン、潜在的資源量は20億トンに達するとされる。ベントナイトは高い吸水性と消臭効果から猫砂の原料としても用いられ、地元の公開資料によると、同県は中国最大のベントナイト猫砂の産地となっている。生産量は全国の約3分の2を占め、世界の猫砂市場のシェアは20%に達する。
ベントナイトの生産や加工を手掛ける寧城県金竜膨潤土は地元最大の猫砂生産量を誇り世界30カ国以上に製品を販売している。完全自動の生産ラインを導入し、ダストフリー(無じん)猫砂や水溶性猫砂などのハイエンド製品を1日4千トン近く生産する。「電子商取引(EC)やインターネットプラットフォームを通じ、さまざまな猫砂製品を欧州などのハイエンド市場に毎日出荷している。米国、日本、韓国でもよく売れる」と同社品質検査部の蒋志鵬(しょう・しほう)主任は話す。
寧城県猫砂産業協会の張文瀚(ちょう・ぶんかん)会長は、県産の猫砂が軽量、水溶性、香り付きなど高付加価値製品への開拓を加速していると指摘する。
赤峰市蒙宏新材料の品質検査・研究開発技術総監、王小立(おう・しょうりつ)氏は長年にわたり、猫砂に使う低粉じん鉱物、軽量砂、ペレット状の砂の研究開発に情熱を注いできた。さまざまな技術を使ってベントナイト猫砂の吸着性能を高め、新たな担体や機能性材料を導入して猫砂の凝固力や消臭性を強化、低粉じんで環境に優しい製品を実現している。
地元ではさらに、寧城猫砂産業協会の実験室やパイロット工場の設立推進を通じ、「中国猫砂科学技術産業パーク」の建設を加速、猫砂製品の研究開発、検査、展示、貿易サービス、EC販売促進などの機能を集約した総合サービスセンターを構築し、猫砂関連企業の技術革新や高度化のけん引を図る。
「科学技術の後押しで、2025年には寧城県の猫砂生産量は240万トンに伸び、生産額は16億元(1元=約21円)を突破するだろう」と赤峰市副市長で寧城県党委員会書記の付守利(ふ・しゅり)氏は今後の産業発展に自信を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News