運用5年の北京大興国際空港、導入されたさまざまな改革とは
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【11⽉6⽇ Peopleʼs Daily】2021年から3年連続で「中国民間空港サービス品質優秀賞」受賞。累計旅客取扱数は延べ1億2700万人を突破し、貨物・郵便取扱量は86万トンを突破――。北京大興国際空港(Beijing Daxing International Airport)の運用開始5年間の実績表だ。
大興空港の正式運用開始は2019年9月25日だった。その特長は高い質の運営だ。ターミナルビル全体を無線LANがカバーしている。旅客は空港アプリを開けば荷物の位置を見ることができる。駐在する航空会社はフライト情報を共有し、荷物エリアの空調は「人がいればオン、いなければオフ」だ。国際便では電子航空券で税還付や国境検査などを完了できる。
大興空港は2019年の運用直後に、国内線利用客への「証明1種で通関+顔認証搭乗」を導入した。旅客は航空券の提示なしで身分証を使ってチェックインし、安全検査を受け、顔認証で搭乗ができる。今年7月にはこのサービスが一部の国際線にも拡大した。大興空港ターミナル管理部の王桂佳(Wang Guijia)補佐は、「紙の搭乗券の場合、旅客はチェックインカウンターで列に並んで発券を待つ必要があります」と指摘した。電子方式の導入で、旅客は平均で15~30分の時間節約ができるようになった。
航空会社にとって、航空機の運航の毎秒が利益に直結する。空港国際科学技術部エネルギー・環境業務マネージャーの張彦所(Zhang Yansuo)氏によると、空港では昨年、航空機管制の引き継ぎポイントに柔軟性を持たせ、航空管制の意思疎通と協調を強化した。この措置で、1日平均131分の地上滑走時間が節約された。燃料節約は年間で約1200トンと見積もられている。
臨空経済区大興エリアは大興空港の国際および国内輸送能力を生かすことで生命健康産業をけん引役として臨空産業発展体系が構築された。国際バイオ医薬パークなどの拠点が整備され、固定資産投資は累計773億元(約1兆6600億円)に達し、外資企業199社が進出した。
北京カルス医療機器は口腔インプラントやバイオフィルムなど高度な基準を満たさねばならない医療器材を製造する精密加工企業だ。同社は大興空港総合保税区に入居してすぐに、大量の注文を受けるようになった。同社の宿瀚奇(Su Hanqi)社長は、「臨空経済区は人材や技術などの革新要素の急速な流動の需要を満たすだけでなく、多くの優遇政策が適用される場所です」と説明した。保税区に入居すれば工作機械と原料の輸入が免税になり、企業のコストを大幅に削減することができるという。
廊坊誠融科技の責任者である何暁蒙(He Xiaomeng)氏は臨空経済区の改革力に深い感銘を受けた。以前は、1枚の通関書類に基づいて多くの種類の保税貨物を区外に出す際も、貨物の種類ごとにトラックを分けねばならなかったので、多くのトラックを用意せねばならなかったが、現在ではトラック1台でよいので、輸送コストが約50%低減したという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News