【11月4日 AFP】モルドバで3日、大統領選の決選投票が行われた。開票がほぼ終わった段階で、親欧州派のマイア・サンドゥ(Maia Sandu)現大統領が得票率約54%で、親ロシア派の政党の支持を受ける元検事総長のアレクサンドル・ストイアノグロ(Alexandr Stoianoglo)氏を上回った。サンドゥ氏は「正義が勝利した」と宣言した。

 モルドバは、戦争で荒廃したウクライナと欧州連合(EU)に挟まれた小国。今回の大統領選は、旧ソ連構成国として、親欧州路線を維持するか、再びモスクワの影響下に戻るかを決するものとなった。

 約2週間前にはEU加盟の是非を問う国民投票が実施され、僅差で賛成が反対を上回った。

 開票結果がほぼ出そろったのを受け、サンドゥ大統領は「モルドバ、あなたは勝利した。きょう、親愛なる国民の皆さん、あなた方は歴史書に叙述されるに値する民主主義の教訓をもたらした。自由と真実、正義が勝利した」と述べた。

 先週末に実施され、与党が勝利したジョージアの議会選挙同様、モルドバの大統領選でもロシアの干渉が疑われたが、ロシアはこれを否定している。

 モルドバ当局は3日、「攻撃や挑発、不安定化の試み」があったと報告。

 警察は、ロシアが同国在住のモルドバ市民をベラルーシやアゼルバイジャン、トルコへ「組織的に移送」し、これらの国のモルドバ公館で投票できるようにしたとの疑惑を調査していると明らかにした。

 当局によると、在外投票もサイバー攻撃や偽の爆弾予告の標的となった。(c)AFP