トランプ氏は「根に持つタイプの独裁者」 リズ・チェイニー氏
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【11月2日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が、対立するリズ・チェイニー(Liz Cheney)前共和党下院議員について「タカ派の戦争屋」だが、自分に銃を向けられたらどうなるかとやゆしたのを受け、チェイニー氏は1日、トランプ氏は「根に持つタイプの残虐な独裁者だ」と反発した。
チェイニー氏は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権で副大統領を務めたディック・チェイニー(Dick Cheney)氏の娘。
チェイニー氏はX(旧ツイッター)に「独裁者はこのようにして自由主義国を破壊する。逆らう者は死ぬことになると脅す」と投稿。
「われわれの国と自由を、狭量で根に持つタイプの残虐で不安定な男に託すことはできない。彼は独裁者になりがたっている」と訴えた。
再選を目指すトランプ氏は10月31日、FOXニュースの元看板司会者タッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏との炉辺談話で、チェイニー氏の父ディック元副大統領が民主党候補カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領を支持すると表明したことを批判。
「彼(ディック元副大統領)が娘に同調したのを責めるつもりはないが、彼の娘は、本当に頭が悪い。大ばかだ」
「彼女は過激なタカ派の戦争屋だ。彼女をライフル9丁の前に立たせて撃たせてみよう。顔に銃を向けられたらどう感じるかを見てみよう」と述べた。
これに対し、ハリス陣営のアドバイザーを務めるイアン・サムズ(Ian Sams)氏はチェイニー氏について、トランプ氏は「銃殺隊の前に送る」と言っているが、ハリス氏は「閣僚に登用する」と言っていると主張し、両者の違いを際立たせた。
かつてトランプ氏政権に加わっていたアリサ・ファラー・グリフィン(Alyssa Farah Griffin)氏も、トランプ氏の発言を「非道」と非難。
「共和党幹部はどうしてこのことを批判しないのか分からない。多くはかつてリズ・チェイニー氏と共に働き、同僚であり友人だと考えていたはずなのに。これは危険だ。エスカレートする」とCNNに語った。
トランプ陣営の報道官はAFPの取材に文書で回答。チェイニー氏は「主戦論者」だとし、同氏についてトランプ氏は「すぐに戦争を始めるが、自分は戦地に行かず、国民を戦地に送る」ような人間だと言いたかったのだと説明した。
チェイニー氏はかつて下院共和党で期待の星と見られていたが、トランプ氏が2020年大統領選の敗北を認めないのを強く批判したことで指導部から外された。2022年中間選挙の共和党予備選ではトランプ氏の支持を受けた候補に敗れ、ワイオミング州の議席も失った。(c)AFP