山間部の小さな県はギターで文化旅行の発展に力を与える
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【10⽉31⽇ Peopleʼs Daily】中国・貴州省(Guizhou)遵義市(Zunyi)の山間部にある正安県(Zheng'an)のギター広場に集まった人々は、沸き立つ音楽に熱狂した。2024年観光エコシステム納涼夏季音楽シーズンのイベントだ。
正安県でのギター生産数は全世界の7分の1を占める。県はギター文化の発展に注力し、ギター生産での知名度を向上させ、ギターで地元の文化と観光の発展を推進してきた。正安県ギター文化産業発展センターの田飛(Tian Fei)主任は、「2013年ごろに、街でギターを背負っていたら、釣りざおか琵琶と思われたでしょう」と述べた。しかし今では、住民の誰もがギターを知っている。10年余りにわたる県の努力が奏功した。
正安県ではかつて、20万人が県外に出て仕事をしていた。うち6万人は、ギターの製造業に従事していた。そこで県は、故郷に戻ってギター関連で起業することを呼び掛けた。さらにさまざまな優遇政策を推進した。
県はギター文化の普及にも力を入れた。これまでに県民5万人以上がギターを学び、30以上の地元バンドが結成された。
正安県で生産されたギターは40以上の国と地域に輸出されるようになった。世界十大ギターブランドのうち6ブランドが正安県で生産されている。
正安県で製造されるギターは、評判がとても良い。「品質が良く、価格は安いので人気があります。だから中国產の楽器を注文するのです」――。2023年米国楽器展の会場でこう語ったトルコ人のギター販売業者は正安県にある遵義神曲楽器製造から毎年1万本以上のギターを仕入れているという。
やはり県内の貴州正安ナターシャ楽器製造は、竹製の静音タイプギターを開発した。このことで、ギターの原材料を輸入に大きく依存する状況を変化させ、さらにサウンドカードやチップなどの革新的な技術を組み込むことで、演奏体験をより豊かにした。貴州正安経済開発区の企業はすでに、ギター関連特許168件を取得し、77の自主ブランドを有している。
ギター文化は観光にもつながっている。現在、正安ギター文化産業園にはギター広場、ギター風情街、ギター博物館などの観光スポットもある。観光客は工場を見学し、広場ではバンドのショーを鑑賞することができる。県はそれ以外も文化と観光を結び付けたイベントを多く開催している。例えば菜の花観光文化祭、桐花農村観光文化祭、桃花農村観光文化祭、納涼夏季音楽シーズンなどだ。
2024年観光エコシステム納涼夏季音楽シーズンの初日には、2万人以上の観光客が集まった。会場に出店した屋台の店主は、「開幕当初からこんなに多くの人が集まるとは思いませんでした。今日の収入はいつもの倍です」と、笑顔で話した。
県関係者は、今後も多くのイベントを開催し、ギター文化の普及を続け、各種の屋外コンサートなどを展開し、ギター文化の発展を通じてギター工業、ギター観光に力を与え、ギター産業の質の高い発展を促進していく考えだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News