不治の病の妻を殺害、夫に無罪判決 フランス
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【10月31日 AFP】フランスの裁判所は30日、治癒不可能な病気の妻を殺害したベルナール・パロ(Bernard Pallot)被告(78)に無罪判決を下した。被告は、妻の要請に応じて死ぬのを手助けしたと主張していた。
検察側は元工学教師の被告が2021年10月、妻のスザンヌ・パロ(Suzanne Pallot)さんの太ももにシアン化物を注射して殺害を試みたが、それがうまくいかずに電気ケーブルで絞殺したとして、禁錮8年を求刑していた。
フランス議会は今年、尊厳死法案について審議したが、重病患者が他者の助けを得て行う安楽死は違法だ。
判決後、北部トロワ(Troyes)で会見した被告は「今回の裁判は現行法が不十分なことを示している。法律を絶対に変える必要がある」と述べた。
被告は捜査官に対し、妻を「苦しませない」ために殺害した供述していた。またシアン化物が効かなかったために電気ケーブルを使用したことについて「方法としては野蛮に思えるかもしれないが、他に選択肢がなかった」と述べた。
警察が遺体の近くで発見したメモには「私、スザンヌ・パロは正気であるうちに、夫のベルナール・パロに対し、耐えがたい不治の苦しみから解放してくれるよう求める」と書かれていた。
エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は今年3月、「人道的に受け入れ難い状況がある」として、フランスには終末期に関する法律が必要だと述べた。(c)AFP