ガザ北部空爆の死者100人に 子どもの犠牲に米国も深い懸念
このニュースをシェア
【10月30日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の民間防衛当局によると、イスラエル軍が前日行ったガザ北部ベイトラヒヤ(Beit Lahia)の集合住宅に対する夜間空爆の死者が約100人に上っている。
空爆を前にイスラエル国会は28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内および占領下の東エルサレム(East Jerusalem)での活動を禁止する法案を圧倒的多数で可決していた。
破壊された5階建ての集合住宅では、上階の窓から長髪の人物の焼死体がぶら下がり、また辺りの通りには毛布に包まれた遺体が多数並べられた。
ガザ民間防衛当局の広報担当者はAFPに対し、「ベイトラヒヤでの虐殺による殉教者の数は93人に増え、まだ40人前後ががれきの下にいる」と述べた。
空爆についてイスラエル側は「調査中」としたが、先にイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘員40人を殺害したと報告している。
ある住民は「犠牲者のほとんどは女性と子どもだ。負傷者の救出が続いているが、病院もなければ、適切な医療体制も整っていない」と語った。
米国務省のマシュー・ミラー(Matthew Miller)報道官は記者団に「恐ろしい結果を伴う恐ろしい出来事だった」と述べ、「イスラエル政府に何が起こったのかを確認している」と述べた。
イスラエル軍は今月6日以降、ハマス戦闘員の再結集を阻止する作戦として、ガザ北部のジャバリア(Jabaliya)、ベイトラヒヤ、ベイトハヌン(Beit Hanoun)を中心に、大規模な空爆および地上作戦を実施している。
またイスラエル国会がUNRWAの活動を禁止する法案を可決したことで、米国を含めイスラエルと同盟する西側諸国は深い懸念を表明している。
ミラー報道官はイスラエルに対し、ガザへの人道援助が改善されない場合、軍事援助を保留する可能性があるとの警告を繰り返した。(c)AFP