【10月29日 AFP】国連(UN)の権利専門家は28日、イスラム教徒の女子選手がヒジャブ(頭部を覆うスカーフ)をスポーツの大会で着用することを禁止するフランスの決定は「差別的」だと非難し、撤回するよう求めた。

 フランスは厳格な世俗主義が堅持されており、今夏のパリ五輪でも選手がヒジャブを含む宗教的なシンボルを着用することを禁じた。

 国内のサッカーとバスケットボールの連盟も、アマチュアレベルを含め、ヒジャブを着用した選手を排除する選択をしている。

 国連の独立専門家8人の署名が入った声明では、こうした決定は「過度で差別的であり、(フランス人選手が)公的および私的な場で自らのアイデンティティーや信仰、信条を自由に表明したり、文化的な生活に参加したりする権利を侵害している」と指摘され、「ヒジャブを着用するイスラム教徒の女性や少女は、文化的な生活やスポーツに参加したり、自らがその一部であるフランス社会のあらゆる側面に参加したりする権利を持たなくてはならない」とされた。

 8人は国連人権理事会(UNHRC)による任命を受けているが、国連の立場を代表しての見解ではない。(c)AFP