イスラエル国会、UNRWAの活動禁止へ 法案可決
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【10月29日 AFP】イスラエル国会は28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内および占領下の東エルサレム(East Jerusalem)での活動を禁止する法案を賛成92、反対10の賛成多数で可決した。90日後に発効する。これを受け欧米諸国は非難や強い懸念を表明した。
UNRWAトップのフィリップ・ラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長は「危険な前例」と非難。「UNRWAの信用を損ねる試みの新たな事例」だとし、「この法案はパレスチナ人の苦しみを深めるだけだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
米国は採決に先立ち、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での人道支援活動にUNRWAは「重要な」役割を果たしていると改めて指摘した。
今月15日にはイスラエルに対し、ガザに搬入される支援物資を30日以内に増量するよう警告。応じない場合は、軍事支援を制限する可能性があると伝えていた。
英国のキア・スターマー(Keir Starmer)首相は「重大な懸念」を表明。この法律によって、「パレスチナ人にとって不可欠な支援をUNRWAが行えなくなり、ガザにおける国際的な人道支援全体とヨルダン川西岸(West Bank)での不可欠な医療・教育サービスの提供が危うくなる」と指摘した。
ドイツも「強い」非難を表明。パレスチナを国家承認しているアイルランド、ノルウェー、スペイン、スロベニアの各国も法案可決を非難する共同声明を発表した。
一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は「イスラエルへのテロ行為に関与したUNRWAの職員は責任を問われなければならない」と主張。ただし、「ガザへの人道支援は継続されなければならない」とも述べた。(c)AFP