【10月23日 AFP】来月の大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が勝利すれば、ポルノ業界全体を閉鎖しかねないとして、俳優ら関係者たちが注意を呼び掛けている。

「#HandsOffMyPorn(私のポルノに干渉するな)」運動は、これまでに20万ドル(約3000万円)を投じてポルノサイトに広告を掲載。共和党の副大統領候補、J・D・バンス(JD Vance)上院議員らがポルノを禁止し、出演するポルノ俳優たちを投獄しようとしているとサービス利用者らに注意を促した。

 ポルノ俳優らは、米国民が大統領選で反撃することに期待を寄せている。そのうちの1人、スージーQ(Siouxsie Q)氏は、「アダルト・エンターテインメントに関心があるのなら、アダルト・エンターテインメントを消費または制作しているのであれば、11月5日に投票しなければならない」「他に選択肢はない」とAFPに語った。

「#HandsOffMyPorn」運動の主なターゲットは男性だ。家族問題研究所(Institute for Family Studies)によれば、ポルノを視聴していると回答する男性は女性の4倍に上る。

 大接戦となっている大統領選の投票日が数週間後に迫る中、世論調査では、有権者の間に大きな性別の分断があることが浮き彫りになっている。

 トランプ氏は男性有権者の支持率で大きくリードしており、右派のポッドキャスト番組で若い男性に向けて男らしさを前面に押し出してアピールしている。

「#HandsOffMyPorn」運動のメッセージは、ペンシルベニアやアリゾナ、ジョージアのような激戦州のユーザーに向けて、ポルノ動画の再生前に表示されている。

 この運動は、トランプ氏が再選した場合に連邦政府を再編するための青写真である「プロジェクト2025(Project 2025)」への対抗措置として始まった。

 900ページに及ぶプロジェクト2025の序文5ページ目には「ポルノは違法化すべきだ。ポルノを制作・頒布する者は投獄すべきだ」と記されている。