ティエムが現役引退 20年全米OP制覇もけがに苦しむ
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【10月23日 AFP】男子テニス元世界ランキング3位で、2020年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)で優勝したドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)が22日、母国開催のエルステバンク・オープン(Erste Bank Open 2024)で現役を引退した。
31歳のティエムは今年5月、2021年から長く苦しめられている手首のけがの完全回復がかなわないことを理由に今大会限りでの引退を表明。そしてこの日、ルチアーノ・ダルデリ(Luciano Darderi、イタリア)との1回戦に6-7(6-8)、2-6で敗れ、現役生活に幕を下ろした。
スタンディングオベーションでたたえる1万人近いファンに向かって、ティエムは「素晴らしい日々を送れたことに心から感謝したい。それはもちろん、僕がこのキャリア全体の一部に過ぎないからだ」と話し、「ここまで応援してくれてありがとう。本当に夢のような道のりだった」と述べた。
2011年にプロに転向したティエムは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により無観客で行われた2020年の全米オープンを制覇し、当時はロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)らに挑戦する準備がようやく整ったかに思われた。
ところがキャリアはそこから暗転。2021年6月のマヨルカ選手権(Mallorca Championships 2021)で手首の靱帯(じんたい)を痛め、その年のツアーを全休すると、2022年は四大大会(グランドスラム)2大会にしか出場できず、最高3位だった世界ランキングも約10年ぶりに100位圏外に転落した。今年もツアー本戦ではマッチ2勝にとどまり、世界318位で迎えた現役最終戦の今大会はワイルドカード(主催者推薦)での出場だった。
キャリア通算ではツアー17勝を挙げ、3000万ドル(約45億円)以上の賞金を獲得した。(c)AFP