【10月17日 AFP】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での作戦でパレスチナの民間人を「人間の盾」として利用していると米紙ニューヨーク・タイムズに報じられたのを受け、米政府は16日、同盟国イスラエルに対し、事実であれば違反者に責任を負わせるよう求めた。

 同紙によれば、イスラエルの軍少なくとも11部隊が兵員の損失を防ぐため、ガザの5都市でパレスチナ人に爆発物の捜索やトンネル内の偵察などを強要した。

 米国務省のマシュー・ミラー(Matthew Miller)報道官は、「非常に憂慮すべき」報道で「事実ならば、到底容認できない」と述べた。

 さらに「民間人を人間の盾として利用することは、決して正当化できない。国際人道法だけでなくイスラエル国防軍(IDF)の行動規範にも反するはず」とした。

 また、IDFの調査に言及し、「調査だけでなく、違反が発覚した場合には、違反者に責任を負わせ、再発防止措置を講じる必要がある」との認識を示した。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、イスラエル軍の部隊に家族から引き離されて手錠を掛けられた当時17歳だった若者が、爆発物よけとして部隊の前を歩かされたと報じた。その後、若者は訴追されることはなく解放されたという。

 米国とイスラエルは、イスラム組織ハマス(Hamas)がガザの民間人を「人間の盾」として利用し、危険にさらしていると繰り返し非難してきた。(c)AFP