【10月16日 CNS】10月中旬、中国東部の沿岸地域・浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)の雪竇寺(Xuedousi)で「第6回世界仏教フォーラム」が開催された。

 雪竇寺は、市中心部から車で約1時間のほどの奉化区(Fenghua)渓口鎮(Xikou)にあり、正式名称は「雪竇資聖禅寺(%Xuedouzishengchansi)」、古い歴史を持つ名刹だ。

 この寺は「中国五大仏教名山」の一つ・雪竇山(Xuedoushan)の山中に位置し、敷地面積8万5000平方メートル以上、建築面積は2万平方メートル近い。外から内に向かう中央軸線上には、山門、放生池、屏風の役割の「照壁(Screen wall)」、天王殿、弥勒殿、大雄宝殿、乳峰泉、法堂が、斜面に沿って徐々に高い位置にある。

 雪竇寺には世界最大の銅製の弥勒座像がある。この像は高さが56.74メートルもあり、気勢雄大で、尊く厳粛な表情を醸し出している。参拝者は階段を登り蓮台に上り、弥勒の足に触れ、弥勒のご加護を祈ることができる。
 
 雪竇寺は晋(Jin Dynasty)時代に建立され、唐時代から栄え始め、北宋と南宋の時代に最盛期を迎えた。今に至るまで1700年以上の歴史がある。南宋時代に皇帝の勅命で「五山十刹」の一つに指定された。また明の時代には「天下禅宗十刹五僧院」の一つとされた。現在、雪竇山は中国で最も有名な仏教の「五大名山」の一つに数えられている。

 雪竇山は弥勒菩薩に導かれて修行する道場として名高い山である。唐朝末期から五代十国時代にかけて、奉化には布袋(Budai、ほてい)と呼ばれる和尚がいたと伝わっている。彼は杖と布袋を持って街を歩き、食べ物を乞うていた。彼は施しを受けた物を何でも布袋に入れたが、誰もその袋から彼が何かを取り出すのを見たことはなかったという。その布袋はいつも空っぽだったのだ。布袋和尚はいつも胸をはだけ、腹を出し、笑顔で日々を過ごしていた。 そして彼は賢明で知恵に富み、楽観的で寛容で、人びとから深く尊敬され、愛されていたと伝わっている。

 宋代の禅宗の記録『五灯会元(Wudeng Huiyuan)』には、布袋和尚が亡くなる前、岩の上に座り「弥勒菩薩は真に弥勒菩薩であり、千変万化の姿で、時空を超えて常に人びとの前に現れ、悟りの道を示している。しかし、人々はそれに気づかず、悟りに到達できていない」と説いたと記されている。その話が世に広まると、人びとは「まさに布袋和尚が弥勒菩薩の生まれ変わりだったのだ」と気づいたという。

 その後中国では、布袋和尚をモデルにしたお腹の出た弥勒菩薩の像が、本来のインドの頭に冠をかぶった弥勒菩薩の姿に取って代わり、次第に広まっていったという話である。

 中華民国時代に、太虚(Daxu)法師が雪竇寺の住職となった。1933年、雪竇山での講話で、彼は初めて雪竇山を仏教名山のリストに加えることを提案した。

 1934年版の『仏学大辞典』の四大名山の項目に「仏教四大名山に奉化の『雪竇山弥勒道場』を加え、仏教五大名山とすべきと提案する人びとがいる」との注釈が加えられた。それ以来「中国仏教五大名山」という言い方が広まったという。

 1987年、当時中国仏教協会会長だった趙朴初(Zhao Puchu)氏が、まだ修復中の雪竇寺を訪れた際「雪竇山は仏教の五大名山の一つで、弥勒菩薩の修道場です。雪竇寺は弥勒が世に現れた場所であり、他の寺院とは異なる様式にした方がよい。弥勒殿を独立させ、弥勒道場と雪竇名山を際立たせるべきでしょう」と提案した。

 有名な仏教寺院は通常、美しく幽玄な場所に建っているが、雪竇寺もまた例外ではない。雪竇山は数十里にわたって広がり、曲がりくねった尾根、そびえ立つ古木、石柱の林、澄んだ緑の木々や泉、幽玄な渓谷や滝、石峰や岩窟がある。宋代の詩人・陳著(Chen Zhu)は、雪竇山を「(浙江一帯に広がる山々を指す)四明の中でも最も美しい」と称賛した。

 現在、雪竇山は国家レベルの景勝地の中でも最高の5Aクラス景勝地に指定されている。雪竇寺で仏教文化の雰囲気を存分に味わえて、自然の美しさも堪能できる。

「寧波『緑のオズの魔法使い』と形容される隠れた秘境の3つの湖沼があり、小川沿いを奥の方に分け入ると、絶景に出会うことができる。

 スリル満点のガラス張りの桟道がある徐鳧岩(Xufushan)では、ロッククライミングに挑戦し、遊び疲れたら囲炉裏を囲んでお茶を楽しむ、贅沢なキャンプライフが堪能できる。

 落差186メートルの千丈岩瀑布(Qianzhangyan Pubu)には、霧が立ち込め、まさに仙境の趣が感じられる。北宋の宮廷官僚で著名な文人でもある王安石(Wang Anshi)はここで詩を残している。

 雪竇山の頂上にある妙高台(Miyaogaotai)からは渓口平原(Xikou pingyuan)全体を見渡すことができる。国民党の領袖・蒋介石(Jiang Jieshi)は、かつてここに別荘を建てていた。(c)CNS/JCM/AFPBB News