NASA、木星の衛星で生命の手掛かり調査へ 探査機を打ち上げ
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【10月15日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は14日、フロリダ州のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から木星の衛星エウロパ(Europa)の探査機「エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)」を打ち上げた。氷に覆われた衛星の地下に、生命に不可欠な水が存在するか調査する。
探査機は正午すぎ、米宇宙企業スペースX(SpaceX)のロケット「ファルコンヘビー」で打ち上げられた。NASAはその後、探査機からの信号の受信に成功し、木星周辺でも太陽光を捉えることのできる、長さ30メートルの太陽電池アレイが完全に展開されたことを確認した。
探査機は5年半かけて29億キロを飛び、2030年4月にエウロパ周辺に到着する予定。その後4年間に49回のフライバイ(接近飛行)を行い、調査を実施する。最接近した場合、表面から25キロ上空の地点に到達する。
探査機にはカメラや分光計、レーダー、磁気観測装置などが搭載されている。
今回のミッションでは、エウロパの表面の構造や組成、厚みのほか、氷の下にあるとみられる海の塩分濃度を調べる。海水が表面にまで上昇している場所があるかも探査する。
生命に必要な3要素である水、エネルギー、特定の化学物質が存在するかを確認することが目標となる。
エウロパ・クリッパー計画担当のカート・ニーバー(Curt Niebur)氏は記者団に対し、計画の意義について、「今すぐにでも居住可能かもしれない世界」を探査する機会になると説明。火星のように「数十億年前には居住可能だったかもしれない世界を探る」ミッションとは異なると語った。(c)AFP