【10月14日 AFP】男子テニス、上海マスターズ(2024 Shanghai Rolex Masters)は13日、シングルス決勝が行われ、大会第1シードのヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)が7-6(7-4)、6-3で第4シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に勝利し、優勝を果たした。

 シナーは第2セットの第4ゲームで貴重なブレークを奪い、1時間37分で勝利。キャリア100タイトル目を阻まれたジョコビッチも「きょうの彼は単純に良すぎた。あまりにも強く、速かった」と認めた。

 試合後、「本当に特別な日だ」と話したシナーは、「信じられないテニスを毎年続けている」四大大会(グランドスラム)24勝のジョコビッチは「レジェンド」だと敬意を表した。さらに、ジョコビッチのライバルだったロジャー・フェデラー(Roger Federer)氏が観戦に訪れていたことにも触れ、「レジェンドはいろんなところにいる。少しでも追いつけるように頑張って行きたい」と冗談めかして語った。

 今季グランドスラム2勝を挙げ、6月から世界ランキング1位を守る鉄壁のシーズンを送っているシナーだが、同時に3月に薬物検査で2回陽性になっていたことが大きな騒動になった一年でもあった。

 シナーは「今年は自分にとって本当につらかった。少し笑顔をなくした時期もあった」と明かし、「こういう状況でプレーするのは簡単ではなかった」とコメントした。

「コートでは自分の強さを感じるし、そのことは考えないようにしている。朝起きるときも一つ一つ(の試合や練習)に集中しようとしている。だけどもちろん、そのことを考えてしまう瞬間はあって、気持ちのいいものではない」 (c)AFP