【10月11日 AFP】光の都パリはその輝きを保つため、60年前に敷設された地下電力ケーブルの近代化を進めている。このケーブルは熱波による損傷を受けやすい。

世界の8000万キロメートルの電力ケーブルは極端な温度に対抗する準備がほとんどできていない、と科学者は警告する。

パリは今後数か月で、紙絶縁鉛被ケーブル(PILC)と呼ばれる旧式の電力ケーブルを交換する予定だ。

「熱の影響を受け始めているこれらのケーブルの更新を予定しており、パリに回復力の高いネットワークを構築する」と、国営送電網運用会社エネディスの地域副局長オリビエ・ラグネル氏は述べた。

エネディスによれば、パリだけでなく、シカゴ、ロンドン、上海、香港、大阪、東京、シンガポール、シドニーの各都市もケーブルの更新を計画しているという。

フランス会計検査院が今年3月に発表した報告書によると、2003年の熱波の際、国内の中電圧地下ネットワーク全体における紙絶縁ケーブルの事故率は8倍に増加した。

PILCケーブルは、19世紀後半から1970年代まで国際標準とされ、長い間非常に信頼性が高いと考えられていた。90度までの温度に耐えるよう設計されていたが、アスファルトの下で数日間熱がこもると120~130度に達し、老朽化が早まり、最終的には故障する恐れがある。

エネディスのラグネル氏は「停電をできるだけ避けること」と「熱波がますます頻繁に発生し、強烈になる中で、ネットワークを繊細でなくすこと」が目的だと述べた。(c)AFP/Nathalie ALONSO