ソウル駅タクシー乗り場に停車したカカオタクシー(c)news1
ソウル駅タクシー乗り場に停車したカカオタクシー(c)news1

【10月11日 KOREA WAVE】韓国最大のモビリティ(人の移動やモノの輸送)プラットフォーム「カカオT」を運営する「カカオモビリティ」が、「コール制限」の疑いで724億ウォン(約80億円)の過料を課されることになった。同社は昨年にも「コール優遇」の疑いで過料を受けており、短期間で総額1000億ウォン近い制裁を受けることとなった。これにより、カカオモビリティは急速な成長の裏に潜む問題が表面化していると指摘されている。

韓国の公正取引委員会は今月2日、カカオモビリティが「市場支配力」を乱用し、競合の加盟タクシー事業者に対する一般呼び出しを制限するなどの不正をしたとして、724億ウォンの過料と是正命令を下し、さらに検察に告発する方針を発表した。これにより、カカオモビリティはタクシープラットフォーム業界で過去最大の制裁を受けることになった。

問題となったのは、カカオモビリティが提供する「カカオTブルー」と呼ばれる加盟タクシーサービス。このサービスを拡大する際、競合他社を市場から排除するため、そこに所属するタクシー運転手への一般呼び出しを制限したという疑いだ。同社は競合からタクシー運行情報の提供を求め、応じない場合はカカオTの呼び出しを制限することで圧力をかけたとされる。

実際、カカオモビリティは一部の競合他社と契約を結び、運行情報を取得していた。一方で応じなかった事業者の運転手には呼び出しを制限する対応を取ったとされる。

昨年2月にもカカオモビリティは、アルゴリズムを操作して自社の加盟タクシーを優先的に配車するという「コール優遇」疑惑で、257億ウォンの過料を受けており、今回の制裁により2年間で総額981億ウォン(約108億円)に達する制裁金が課されたことになる。

カカオモビリティはこの決定に対して「利用者の不便を解消するための正当な契約であり、不正な情報利用はなかった」として、行政訴訟を通じて立場を証明する意向を示している。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News