【10月11日 AFP】イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)における国際法違反疑惑に関する国連(UN)の独立国際調査委員会は10日、イスラエルがガザで意図的に医療施設を標的にし、医療従事者を殺害・拷問しているとの報告書を発表し、同国が絶滅行為を含む「人道に対する罪」を犯していると非難した。

 調査委は声明で「イスラエルはガザに対する広範な攻撃の一環として、同地区の医療システムを破壊するために組織的な方針を取っている」と指摘。

「医療従事者と医療施設を執拗(しつよう)かつ意図的に攻撃することで、戦争犯罪、そして人道に対する罪である絶滅行為を犯している」と非難した。

 3人の委員から成る調査委は2021年5月、国連人権理事会(UN Human Rights Council)によって設置された。イスラエルとガザにおける国際法違反疑惑について調査しており、報告書の発表は、昨年10月7日にガザ紛争が勃発(ぼっぱつ)して以来2回目。

 報告書は、イスラエルで拘束されているパレスチナ人やガザにおける人質に対する虐待にも焦点を当てており、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の双方が「拷問」や性的暴力およびジェンダーに基づく暴力を行っていると批判した。

 一方、イスラエルは、調査委が「組織的な反イスラエル的差別」を行っていると非難し、6月に公表された1回目の報告書の内容を全面的に否定した。1回目の報告書も、イスラエルがガザで「絶滅」を含む人道に対する罪を犯していると非難していた。(c)AFP