レバノンで民間人多数が行き場失う 国連機関が警鐘
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【10月7日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は6日、レバノンではイスラエル軍の爆撃が激化しているのを受け多数の民間人が避難を余儀なくされているほか、行き場を失って戦闘に巻き込まれる人々もいると警鐘を鳴らした。
イスラエルは9月23日、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)組織ヒズボラ(Hezbollah)に対する軍事作戦を開始。当局によれば、これまでに1100人以上が死亡し、100万人以上が避難民となっている。
グランディ氏はレバノンの首都ベイルートでの記者会見で、「(民間人が)避難を強いられるという人道問題のみならず、避難がままならないという人道・人権問題も発生している」と指摘した。
UNHCRレバノン事務所のイーボ・フリーセン(Ivo Friesen)代表は、「われわれが把握しているだけでも(レバノン)南部には今なお6000人のシリア難民がおり、安全性が確保できないため移動もできず、行き場を失っている」と述べた。
13年に及ぶ内戦で多数のシリア人が故郷を追われてレバノンに避難していたが、イスラエルの爆撃を逃れるため故郷に戻ろうとしている。
グランディ氏は、「レバノンからシリアへの越境者は控えめに見積もっても22万人に上る」とした上で、このうち70%がシリア人で残りがレバノン人だと説明した。
レバノンは4日、同国とシリアを結ぶ主要道路がイスラエルによる空爆で寸断されたと発表した。(c)AFP