フランス、不法移民を強制送還 海外県マヨットからアフリカへ
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【10月3日 AFP】不法移民の取り締まりを進めるフランスのブリュノ・ルタイヨー(Bruno Retailleau)内相は2日、海外県マヨット(Mayotte、マホレ)の当局に対し、アフリカ出身の不法移民を制送還するための航空機を手配するよう命じたと明らかにした。
インド洋に浮かぶマヨットは、フランスで最も貧しい県。アフリカ本土の貧困や腐敗を逃れて何千人もの移民が流入し、社会不安や深刻な移民危機に長年苦しんでいる。
「秩序の回復」を優先課題に掲げるルタイヨー氏は議会で、「10月から、マヨット県知事は不法移民をコンゴ(旧ザイール)に送還する航空機を手配する」と述べた。
ルタイヨー氏のチームの一人はAFPに対し、マヨットの移民収容施設の空きを確保するため、同様の航空機は2月以降4回手配されており、10月には少なくとも3便が予定されていると語った。
この問題に関して、コンゴ当局とは「素晴らしい」協力関係が築けているという。
マヨットには、近くの島国コモロ連合やアフリカ本土から「クワッサクワッサ」と呼ばれる小舟などに乗って毎年数千人が上陸を試みている。現在ではマヨットの人口約32万人の半数近くを移民が占めていると推定される。
移民の流入を受けて大きな対立が生じ、抗議デモも発生。多くの住民は犯罪や貧困について不満を訴えている。
ルタイヨー氏はまた、移民の「流入を阻止する」ため、ブルンジやルワンダなどの大湖地域の国々と二国間安全保障協定を締結するとも発表した。
保守強硬派であるルタイヨー氏の内相任命は、フランス政界の右傾化を反映している。同氏は、移民はフランスに「チャンス」をもたらさないと強調。移民の流入をコントロールするために「あらゆる手段」を講じると明言している。
ルタイヨー氏は2日付の日刊紙フィガロに掲載されたインタビューで、「私の頭にあるのはフランスの役に立つということだけだ」「私にとって重要なのはそれだけだ」と語った。(c)AFP