【10月2日 東方新報】中国初の国産大型クルーズ船「愛達・魔都号(Adora Magic City)」が10月1日、5000人余りの乗客を乗せ、国慶節をテーマとした6泊7日のクルーズに出航した。このクルーズ船は今度の航海で、累計で25万人の乗客を迎えた。

 同船は世界中からの5000人余りの観光客に、選び抜かれた日本の3都市・神戸、大阪、高知をゆっくりと訪問してもらう予定だ。

 またこのクルーズでは、中国の5大歌劇の一つで今の河南省(Henan)地域に伝わる「豫劇(Yuju)」の第一人者・李樹建(Li Shujian)氏と国内トップクラスの豫劇チームが、新中国建国後初めてニューヨークのブロードウェイで公演された演目「程嬰救孤(義士程嬰が孤児を助ける)」や古典から抜粋した有名な演目を数多く用意した、船上というユニークな舞台での特別公演を開催する。

 そのほか、乗客を楽しませる秋と冬をテーマにした各種の文化的なイベントも開催される。例えば、凧(たこ)や髪飾りなど中国の無形文化遺産の工芸体験、また中国の伝統的武術で健康運動でもある気功の技である「八段錦(Baduanjin)」など無形文化遺産の運動の体験もできる。

 さらに、船上の園遊会では、中国の無形文化遺産に指定されている伝統のスナック、菓子も用意されている。

 このように、今回のクルーズの乗客たちは、船旅の間に中国の伝統文化の魅力を十分に堪能できる。

 このクルーズの責任者は「国慶節をテーマにした今回のクルーズが市場からこれほど注目され、非常に嬉しく、誇らしく思います。中国クルーズ船のフラッグシップとして、私たちは常にクルーズの内容を充実させ、海の上での休暇という独自の新しい体験を創り出しています。今後は引き続き『クルーズ+文化』という革新的なモデルをベースにして、文化と観光の融合の可能性を探り、お客様の高品質で個性的な旅行への切実なニーズに応えていきます」と語った。

 現在、「愛達」のブランドで、「愛達・魔都号」と「芸術の船」と称されるイタリア船籍の「愛達・地中海号」の2隻の大型クルーズ船が運行され、国内外の乗客延べ35万人以上が利用している。

 また中国で建造中の2隻目の大型クルーズ船は現在、最終組み立ての加速段階に入っており、2026年末に引き渡される予定で、船名もまもなく発表される予定とのことだ。(c)東方新報/AFPBB News