【10月2日 AFP】フランスのブリュノ・ルタイヨー(Bruno Retailleau)新内相は9月29日夜、現行憲法下では不可能だと認めつつ、移民に関する国民投票を実施し、「秩序」の回復を目指したいとの考えを表明した。

 ルタイヨー氏は仏ニュース専門局LCIで、「フランスでは移民問題について国民投票を行うことはできない」「それが残念だ」と語った。

 そうした国民投票の実施について個人的見解を問われると、「イエス。千回でもイエスと答える」とした上で、「まず憲法を改正する必要がある」と付け加えた。

 フランスでは現在、国民投票のテーマが限定されており、移民問題は含まれていない。

 ルタイヨー氏は、過去半世紀以上にわたって移民がフランス社会に大きな影響を与えてきたが、フランス国民には「意見を表明する機会」がなかったと指摘。

 さらに、移民はフランスに「チャンス」をもたらさないと強調。移民の流入はコントロールされるべきであり、「あらゆる手段」を講じる用意があると述べた。

「全体的な計画があって初めて、移民の流入をコントロールできる」と訴えた。

「秩序の回復」を掲げるルタイヨー氏の内相任命は、今夏の総選挙でどの政党も絶対多数を確保できなかったことを受けて、ミシェル・バルニエ(Michel Barnier)新首相の下で政府が右傾化していることを象徴している。

 右傾化はフランスだけでなく欧州の一般的な傾向で、9月29日のオーストリア総選挙でも、反移民を掲げる極右・自由党が初めて第1党となった。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元仏大統領も、「移民は問題だ」とし、「魔法のような公式」は存在しないが、フランスは「すべてを変える」必要があると主張している。(c)AFP