【10⽉2⽇ Peopleʼs Daily】海爾集団(ハイアール、Haier)傘下の青島海爾冷凍電器が開発した冷蔵庫が、中国品質認証センターの製品カーボンフットプリント証書を取得した。

 まずは、この冷蔵庫に使う素材だ。同社関係者は「サプライヤーと協力して環境に優しい冷媒などの新技術を応用しました」と説明した。この冷蔵庫では、再生可能利用率が国家基準を上回る90%以上に向上した。

 同社でスマート製造1期の責任者を務めた侯庭毅(Hou Tingyi)氏は、「筐体関連の発泡技術は冷蔵庫製造の最も重要な技術の一つです。冷蔵庫の内外壁の間に発泡剤を充填(じゅうてん)することで、保温性能と省エネ効果を高めることができます」と説明した。

 侯氏は冷蔵庫の生産ラインを示して「冷蔵庫の背部に五つの注入銃が差し込まれています。高精度かつ柔軟性の高い多銃注入技術です。これまでの単点注入と比べて泡の注入量を5%削減し、冷蔵庫の容積を15%向上させ、3%の省エネを実現しました」と話した。

 物流過程では、多くのスマート倉庫が投入されて入庫から出庫までの全過程の無人化が実現された。倉庫内で照明を使う必要もなく、電力が節約された。輸送段階ではスマート物流システムにより配送ルートの自動最適化を実現し、新エネルギー車両を積極的に使用して炭素排出量を削減した。納品では、分解可能またはリサイクル可能な包装材料を優先利用して、包装材料の削減を目指した。製品包装においては再利用可能なフィルムを採用することで、発泡プラスチックの使用量を32%、ダンボールの使用量を83%削減した。

 冷蔵庫では、「生涯炭素排出量」の80%以上が使用段階で発生する。この段階は極めて重要だ。

 この冷蔵庫では内蔵の多次元センサーが、冷蔵庫の内外条件の変化を感知してエネルギー消費量を削減することができる。同社の冷蔵庫全体システム技術責任者の陳建全(Chen Jianquan)氏は、「私どもは40年間の冷蔵庫製造のデータの蓄積を利用して、大規模データベースや省エネモデルを構築し、状況に応じた最適な冷却状態を実現することで、単一モードの冷蔵庫より約15%省エネしました」と述べた。

 冷蔵庫の耐用年数は10~15年だ。同社の冷蔵庫の利用者は、廃棄する際に公式アプリなどを通じて回収を求めることができる。連絡してから48時間以内にサービススタッフが訪問する。そして冷蔵庫の「回収-分解-再生-再利用」の旅が始まる。

 同社のリサイクル産業家電回収責任者の李秀慶(Li Xiuqing)氏によると、プラスチックを例に取ると、洗浄、選別、造粒、改質など数十の工程を経てリサイクル新素材の純度は99.9%に達し、家電、自動車、日用化学製品など多くの製品で重宝されている。

 容積約220リットルの使用済み冷蔵庫1台の場合、プラスチック約9キロ、鉄約38.6キロ、アルミニウム約0.6キロ、銅約1.4キロを取り出せる。冷蔵庫1万台を再生利用すれば、炭素排出量を65トン削減できるという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News