【9月30日 Xinhua News】中国天津市の天津国家会展中心(国家エキシビション・コンベンションセンター)で9月中旬に4日間の日程で開かれた2024中国文化・観光産業博覧会では、アニメや漫画、中国の伝統文化を取り入れた「国風」文化を展示する「国風潮玩(アートトイ)館」が多くの若者でにぎわった。

 漫画やアニメ関連のグッズを売る店「漫庫」傘下の漫豚書店は同博覧会に初めて出展した。商務担当の董(とう)さんは、日本や中国の漫画・アニメ、ゲームなどのほか、バーチャルライバーやバーチャルアイドルのグッズなども展示したと説明。同書店はコミック系書籍を中心に取り扱い、普段から多くの学生が訪れているという。

 「ここ数年は『国潮』(伝統要素を取り入れた国産品のトレンド)や『国漫』(国産漫画)が急速に発展し、漫画は作画の美しさや全体の統一感、創作点数などが向上した」と紹介。ショート動画やSNSを通じて国潮を好む若者も増え、愛好者の年齢層と業界構造もさらに広がったと話した。

 博覧会の出展者は、漫画展やオフライン活動などにより従来のファン層以外の多くの人が国潮や国漫に注目し始め、ゲームのイメージや国風作を通じて中国の伝統文化をより深く理解できるようになったと指摘した。

 2023年10月に発表された「潮玩産業発展報告(2023)」は、中国ではアートトイ人気を受けて業界の年平均成長率が22年から26年に24%になったとし、26年には小売売上高が1101億元(1元=約20円)になるとの見通しを示した。今年3月発表の「2024年中国国潮経済発展状況・消費行動調査報告」によると、2023年の中国国潮経済の市場規模は2兆517億4千万元と前年に比べ9・4%増加した。

 多くの専門家は、中国伝統文化IPを巡って革新的に生み出されるアニメ・漫画やゲーム、ネット文学などが今後、世界が中国を知る新たな窓口の一つになると指摘。国内外でより多くの消費者の注目を集め、中国文化をより良く世界に広めるとともに、中国と外国の文明間の交流と相互学習をさらに促進するとの見方を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News