中国の「天眼」が再びアップグレード! FASTコアアレイ試験機が建設開始
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【9月28日 CGTN Japanese】中国の「天眼」と呼ばれる世界最大の単口径球面電波望遠鏡(FAST)が完成から8年を迎えるに当たり、FASTコアアレイ試験試作機の建設が25日、正式にスタートしました。FASTの観測能力がさらに向上すると期待されています。
科学研究チームは低コストで迅速に実施できる電波望遠鏡のアレイプランを提出し、FAST周辺5キロメートル範囲内の優れた電磁環境を十分に生かし、口径40メートルの全可動電波望遠鏡24台を建設し、FASTと総合的な口径アレイ、すなわちFASTコアアレイを構成します。
中国科学院国家天文台の副台長で、FAST運行発展センターの姜鵬主任によりますと、口径500メートルの球面望遠鏡と比べて、口径40メートルの電波望遠鏡の建設はそれほど難しいものではありませんが、大口径のFASTとネットワークによる観測の効果を得るために、重要な技術的難題二つに直面しています。一つ目は、これまでチームになかった高機能の常温受信機です。二つ目は、総合的口径のデータ処理技術で、特に異なる口径の望遠鏡を組み合わせたデータ処理技術は中国国内で今のところ特に成熟した経験はなく、技術の突破が必要となります。
FASTは世界最大で、感度が最も高い単口径電波望遠鏡で、その総合的な機能は世界トップレベルに達しています。稼働以来、FASTはパルサー、高速電波バースト、ナノヘルツ重力波などの分野で多くのオリジナルな研究成果をあげました。
FASTコアアレイは、解像度の向上や、正確な位置特定と精密な画像形成能力を持ち、既存の科学研究分野を大幅に拡大させ、特に重力波現象、高速電波バースト、ガンマ線バースト、超新星、ブラックホールの潮汐崩壊現象などで大きな役割を果たすとみられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News