【9月25日 CGTN Japanese】中国南部の江西省貴渓市にある集合住宅団地でこのほど、上階から物が投げ落とされたごみが、住宅敷地内で電動バイクに乗っていた住民に当たる事件が発生しました。ごみが当たった住民はヘルメットを着用していたため、外傷は負いませんでしたが、軽い脳震盪(のうしんとう)を起こしました。

 この情報が伝わると、住民は自分の安全が心配になり、次々に住宅の管理側に事情を報告し、管理側は直ちに警察に通報しました。通報を受けた貴渓市警察は速やかに捜査を開始しました。また、集合住宅の管理側や職員と共同で調査に参加し、住民に同件を改めて告知して手がかりを積極的に提供するよう呼びかけました。しかし、上階からの投げ落としを監視するカメラは設置されておらず、目撃者もいなかったため、事件の解決は難航しました。

 警察はそこで、上階から投げ落とされたごみを江西省鷹潭市司法鑑識センターに送り、DNA情報を分析することにしました。また、集合団地担当の警察官やコミュニティーの職員、集合住宅の管理業者と連携して、住民が在宅の場合が多い夕食の時間帯を利用して各世帯を訪問し、全住民からサンプルを求めることでDNA情報を取得しました。警察は同時に、ごみを投げ捨てた者が自発的に出頭して、事実をありのままに供述すれば、処罰を軽減することができると住民に知らせました。

 すると、翌日午前、ある男が出頭し、自分の行為をありのままに供述しました。男には現在、法に基づいて警察によって身柄の拘束など刑事強制措置が取られており、警察はさらに詳しい捜査を進めています。

 上階からの物を投げ落とせば、極めて大きな危害が発生します。専門的な実験によると、重さ30グラムの鶏卵を18階から投げ落とした場合、人の頭蓋骨を破壊する場合があります。25階から投げ落とせば、その衝撃には人を死亡させる十分な威力があります。中国では刑法により、上階からの投げ落としに対する処罰が定められています。関連規定によると、建物やその他の高所から物を投げ落とし、深刻な事態を招いた場合、1年以下の懲役または拘禁や当局による監視を言い渡されることになります。(c)CGTN Japanese/AFPBB News