韓国でキムチ危機、猛暑で白菜高騰
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【9月21日 AFP】韓国全土を見舞った異例の猛暑の影響で、国民食キムチの主原料である白菜の価格が前年比で70%近く上昇していることが20日、韓国農水産食品流通公社(Korea Agro-Fisheries & Food Trade Corporation)が公表したデータで明らかになった。
19日時点で、白菜1株の価格は9337ウォン(約1000円)で、前年同日比で69.1%上昇したという。
専門家らは、夏季の高温により供給が不安定になっていると指摘。特に冷涼な気候の高原で生産される白菜が影響を受けているという。
国立食糧科学院(National Institute of Crop Science)のウイルス学者、李永奎(Lee Young-gyu)氏はAFPに対し、「気候変動により、土壌伝染病の発生パターンも変化してきている」「例えば、白菜の立ち枯れを起こす根腐れ病などの菌による土壌伝染病が広がっている」と指摘。
酷暑で苗が枯れたり、強い日差しで葉焼けしたりしたという報告も寄せられているという。
韓国農村振興庁(South Korea's Rural Development Administration)は今月、高原白菜の安定供給を確保するため研究機関を設立した。
同庁は、気候変動対策を取らなければ、夏白菜の栽培に適した地域が2090年までに消滅する可能性があると警告している。
気象当局によれば、韓国の今夏の平均気温は約50年前の観測開始以来、最高を記録。平年より2度近く高かった。(c)AFP