【9月21日 AFP】ウクライナ侵攻におけるロシア兵の死者数が7万人を超えた。英BBCとロシアの独立系メディア「メディアゾナ」が20日、独自調査を基に報じた。両メディアの調査によると、8月半ば時点の戦死者は約6万6000人だった。

 死者数の集計は、公式発表や死亡記事、ソーシャルメディアでの発表などの公開情報、ロシア国内で新たに建てられた墓の数などに基づいている。

 BBCは「ウクライナで死亡したロシア兵7万112人の名前を特定したが、実際の死者数はこれよりも相当多いと思われる」とし、「詳細を公表しない遺族もいる。また、この分析結果には、われわれには確認できなかった名前や、ロシア占領下のウクライナ東部ドネツク(Donetsk)州とルガンスク(Lugansk)州における民兵の死は含まれていない」と説明した。

 メディアゾナは、ロシアの独立系ニュースサイト「メドゥーザ」と共同で、遺産相続に関する公証役場の公式データを分析。

 これによれば、ロシアの戦死者数ははるかに多い可能性があり、推定12万人に上るとされる。

 ロシアで戦死者数は機密扱いされている。

 一方のウクライナ側も、国民の士気低下を恐れ、2年半以上にわたるロシアによる侵攻の戦死者数をほとんど公表していない。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は2月、ロシア軍との戦闘に伴うウクライナ軍の戦死者は約3万1000人に上ると明らかにした。だが、アナリストや観測筋は、実数ははるかに多いとの見方を示している。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは今週、ロシアのウクライナ侵攻により両国合わせて100万人以上の兵士が死傷したと報じた。

 同紙は消息筋の話として「今年実施されたウクライナの極秘の推計によれば、ウクライナ軍の戦死者は8万人、負傷者は40万人に上る」「西側情報機関によるロシアの死傷者数の推計にはばらつきがあるが、戦死者は20万人近く、負傷者は約40万人とする見解もある」としている。(c)AFP