【9月23日 CGTN Japanese】中国中部の湖南省株洲市にある無人機と衛星ナビゲーションシステムの北斗衛星導航系統を組み合わせた低空域総合サービスを手掛ける「新翼智能」は18日、新航路を利用した「秋の1杯目のコーヒー」の空中配送を実施しました。同社は医療用輸送、農業特産品などの輸送サービスを行っており、今回は同センターが開設した21本目の低空域航路となります。 

 新翼智能の魯俊執行役員によると、無人機は安全を確保するため、システムやコンポーネントが故障した場合に備えて、予備の要素を追加した冗長設計を多数採用し、パラシュートその他の緊急措置能力が備わっています。また、北斗の高精度測位と組み合わせることで飛行の安定性、飛行ルートの選択、障害物自主回避などが確保されています。例えば無人機「方舟40」の場合、搭載視覚モジュール、ミリ波レーダーモジュール、リアルタイムキネマティック(RTK)モジュールを北斗の技術と結びつけることで、着陸精度をセンチメートル級にしました。さらに「方舟40」は風力階級7(風速毎秒13.9~17.1メートル)の強風に耐えることが可能で、大雨の日でも正常に作業できます。

 スマートフォンで注文すると、わずか3分か5分の間でコーヒーが届きます。「空中配達員」は無人機です。

 コーヒーの空中配達は新翼智能が市民のニーズに基づいて開発した最新の航路です。地元のハイテクパークである動力谷にあるコーヒーショップから株洲自動車博覧園までの距離は4キロで、飛行時間はわずか3分です。

 同社はこれまでに基地局を増やし、無人機を追加して、応用シーンを次々に開発してきました。現在は地元の株洲自動車博覧園や地元三門鎮農業基地から集散センターまで、血液ステーションから中心病院までの物流配送や緊急輸送など21本の航路を運営しています。主な航路では医療用輸送、宅配便配送、農業特産品、巡回検査、緊急物資輸送などを手掛けています。

 うち、医療輸送路線では、病院で血液が不足になった場合に市の中心部にある血液ステーションから無人機で血液を緊急輸送すれば、わずか3~4分しかかかりません。農業特産品の輸送では地元の三門鎮にある月福農場と湖南三農産業園までを結んでいます。

 同社の魯執行役員は、「今後は文化観光面での応用を加速させていく。例えば、険しい山間部にある観光地で無人機の強みを生かして迅速な物資配送を実現する」と説明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News