【9⽉23⽇ Peopleʼs Daily】中国・福建省(Fujian)三明市(Sanming)の将軍山の麓に住む魏発松(Wei Fasong)さんは、林の様子を毎週見に来る。3年近く前に植えた林下作物が、初めての収穫を迎えるからだ。木と木の間には伝統生薬の材料となる植物が植えられている。魏さんは、「今は木を切らなくても豊かになれます。1ムー(約0.0006平方キロ)当たりで少なくとも1000元(約2万円)の収入です」と言った。

 将軍山には立体栽培モデル林である沙県区国有林場もある。低い場所は広葉樹林で、林下作物も栽培されている。高い場所はスギ林だ。科学的な立体栽培により樹木の成長は良くなり、単位面積当たりの収益は樹木を単純に栽培した場合の10倍という。

 山間の小道では、馬岩レジャーリゾート社の張敏(Zhang Min)社長が客を案内していた。この場所では良好な生態環境を利用して「森林養生基地」が建設された。林の中に宿泊用の小屋があり、周囲で遊んだり、現地の食材を使った料理を楽しんだりできる。

 福建省ではかつて、林業従事者は生活にゆとりがなく、一時は乱伐が深刻だった。そこで省は2002年に全国に先駆けて、集団林権の制度改革を実施した。木を切れば植樹することを徹底し、さらに林下作物や観光業など関連商品を創出したことで、山の緑を保って利益を出せるようになった。2023年に福建省の森林被覆率は65.12%に達した。

 生態環境を「換金」する方法はますます豊富になっている。福建省南平市(Nanping)延平区ではかつて、無秩序な牛の飼育が行われていた。現在では山林の良い生態に頼っての生産だ。2023年には区内のユリの栽培面積は8500ムー(約5.7平方キロ)で、生産額は6億元(約119億円)に達した。乳業の年間生産額は20億元(約396億円)だった。

 また、南平市はグリーン産業革新サービスプラットフォームを設置した。山間部を利用する企業は、このプラットフォームを通じて問題の解決を図ることができる。例えば竹建材が腐敗しやすい問題に悩まされていた興達竹業は、プラットフォームを通じて武夷学院(Wuyi University)と南京林業大学(Nanjing Forestry University)の専門家の協力を受けるようになった。同社の責任者である呉敏達(Wu Minda)氏は、「2か月余り前に始めた試験は順調に進展しています。新技術を導入した生産が始まれば、生産額は10倍になる見込みです」と述べた。

 三明市将楽県(Jiangle)高塘鎮(Gaotang)常口村では、村内の3197ムー(約2.1平方キロ)の生態公益林による5年間分の炭素排出削減量を計算して、炭素排出権取引を行った。そして1000人余りの村民が1人当たり150元(約3000円)の収益金を受け取った。うち一人の孫桂英(Sun Guiying)さんは「空気も売れるよ!」と、うれしそうに言った。

 福建省林業局の林旭東(Lin Xudong)副局長は、「福建省は最も厳格な生態保護政策を実施し、その上で関連グリーン産業の発展に力を入れています」と説明した。2023年には省の林業総生産額は7651億元(約15兆2000億円)に達したという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News